巨人・原辰徳監督(62)が27日、春季キャンプの“新様式”プランを披露した。山口寿一オーナー(63)へのシーズン報告のため、東京・大手町の読売新聞東京本社を訪問。約1時間の会談の中で来春のキャンプの方針についても話したという。例年、2球場を使える宮崎で1、2軍ともにスタートするが、沖縄・那覇、G球場も含めた4球場で分散して行うことを検討していく。“密”を避け、濃密な時間にする狙いを持って改革を進めていく。
新様式にマッチしたアイデアだ。原監督は、山口オーナーへのシーズン報告のため、球団事務所を訪れた。その際に相談した春季キャンプ“改革案”を明かした。
「3月26日にいいコンディションで入るにはという観点の中からちょっと話をしました。少しスタイルを(変えようかと)。コロナ禍ということもあるしね」
コロナ禍にも対応できるキャンプだ。「宮崎に2つ球場があって、そして那覇にも(使用できる)球場を持っていると。よみうりランドもある。この4つの球場をうまく活用してね」と原監督。キャンプで使用する宮崎のサンマリン、ひむかの2球場、沖縄のセルラースタジアム那覇、そしてG球場を加えた4か所に分散し、“密”を避ける方針を軸に検討を始めていく。
詳細はこれから決めていくが、原監督は「もちろん『鉄』の人もいるわけだから。熱いうちに(打て)っていう点で猛練習はガンガンせなあかんし。ただ、非常に今年のシーズンが長かった中でね、全ての人が『鉄』ではないわけだよね」と示唆。例えばサンマリンでは吉川尚、松原、戸郷、横川といった伸び盛りの若手がハードな練習を、温暖な沖縄ではベテラン・主力組がじっくりと調整を続け、手術などでリハビリに時間を要する選手は、病院にも通いやすいG球場に―。そんな構図も予想できる。
山口オーナーへのシーズン報告は、約1時間にわたった。未曽有の過密日程を戦い抜き、リーグ連覇を達成。またプロ野球12球団の努力で日程を全て消化し、世の中に誇るべき姿を示したことへの労をねぎらわれた。だが、日本シリーズは、2年続けて4連敗。リーグ連覇の喜びを上回る悔しさを味わってシーズンを終えた。「万全を期した状態で日本シリーズに挑んだわけだけれども…。全てにおいて、我々は劣っていたということ。(全てが)あの4試合に集約されるのは、勝負の世界は非常に厳しいと改めて感じた。オーナーも同じ気持ちで『何とかこれを来季のバネ、活力として頑張っていけ』と話していただきました」。既に指揮官は来季に向けたプランを続々と明かす。雪辱へ、全集中している。(西村 茂展)
◆巨人キャンプの振り分け 1軍、2軍、3軍に分けられるのが通例だが、今年は1軍とファーム(2、3軍)に分かれ、坂本らベテランは調整を一任されるS班としてスタート。さらに1軍投手陣はベテラン、中堅、外国人のA班、若手中心のB班に分かれた。ファームは1軍本隊が2次キャンプで沖縄へ移動したタイミングで、2軍と3軍に振り分けられた。
◆巨人の2020キャンプ
【1軍】
▽1月28日 宮崎で合同自主トレ開始
▽同31日 原監督ら首脳陣宮崎入り
▽2月1日 キャンプイン
▽同4日 1軍VSファーム紅白戦
▽同8日 紅白戦
▽同9日 紅白戦
▽同13日 1軍VSファーム紅白戦
▽同14日 沖縄入り
▽同15日 サムスン戦
▽同16日 DeNA戦
▽同18日 ロッテ戦
▽同19日 中日戦
▽同22日 日本ハム戦
▽同23日 楽天戦
▽同24日 広島戦
▽同25日 2次キャンプ打ち上げ、帰京
【ファーム】
▽1月27日 G球場でファーム合同自主トレ開始
▽同31日 ファーム首脳陣、選手が宮崎入り
▽2月1日 キャンプイン
▽同4日 1軍VSファーム紅白戦
▽同13日 1軍VSファーム紅白戦
▽同16日 広島戦
▽同19日 ソフトバンク戦
▽同21日 JR西日本戦(3軍)
▽同22日 オリックス戦
▽同24日 オリックス戦
▽同26日 斗山戦
▽同27日 2軍キャンプ打ち上げ、帰京
▽同28日 3軍沖縄入り
▽同29日 琉球ブルーオーシャンズ戦(3軍)
▽3月1日 沖縄県社会人選抜戦(3軍)
▽同2日 沖縄県大学生選抜戦(3軍)
▽同3日 3軍帰京