橋本真也が小川直也にプロレス力を見せつけた福岡ドーム11月決戦…金曜8時のプロレスコラム

1997年11月3日付スポーツ報知
1997年11月3日付スポーツ報知

 巨人とソフトバンクの日本シリーズは再び京セラドーム大阪に戻ってくるものだとばかり思っていた。21日に大阪で開幕し2連戦を終えて福岡ペイペイドームで3連戦のはずが、まさかの巨人4連敗で福岡2戦目でソフトバンクが日本一に。今年のプロ野球はあっけなく終わった。

 このコラムでは、日本シリーズに引っかけて大阪ドームでのプロレス興行を3週連続で書くつもりだったが、最初(1997年5月3日)と最後(2004年11月13日)をすでに書いたので、今回は軌道修正して、福岡ドームに焦点を当てたい。

 新日本プロレスの福岡ドーム大会は1993年から3年連続で5月に開催された「レスリングどんたく」の印象が強いが、11月決戦が1度だけあった。97年11月2日の「FINAL POWER HALL in FUKUOKA DOME」がそれで、翌98年1月4日の東京ドームで引退(1回目)する長州力の引退ロードだったが、この年にプロレスデビューした柔道世界選手権金メダリスト・小川直也の4大ドームツアー最終戦という側面もあった。

  • 小川直也の4大ドームツアー結果
  • 小川直也の4大ドームツアー結果

 小川はエルウィン・フレークル(オランダ)にわずか3分19秒で腕ひしぎ逆十字固めで勝利しているが、現地取材しながら全く印象に残っていない。資料室で当時のスポーツ報知をひもといて思い出した。この日の小川の“真の相手”は橋本真也だった。この年のドームツアーの東京(4月12日)と大阪(5月3日)で1勝1敗とライバルとなった小川と橋本。福岡ではともにキックボクサー相手の異種格闘技戦を行ったのだった。

 橋本はK-1戦士のフーベルト・ヌムリッヒ(ドイツ)に2回1分4秒、腕ぎめけさ固めで勝利。紙面は小川がメインで「デビューイヤー締めくくる会心劇」「セオリー無視決着」、橋本はサイドで「『どうだ』プロレスラーの強さ証明」との見出し。名勝負史に残っていない2試合だが、自分が23年前に書いた記事に歴史的位置づけを教えられた。

 「パンチ、キックを受けてダウンするシーンが橋本の見せ場だった。小川の受けずに攻めるスタイルに対抗するかのように橋本はヌムリッヒの攻めを徹底的に受けた」「約1か月の巡業をこなし、その最終戦にあたるビッグマッチで異種格闘技戦に臨む」団体の顔として全国を巡っている橋本とビッグマッチ限定参戦の小川。試合スタイルと年間試合数で、橋本と小川を対比し、プロレス力の違いを示している。

 ドームツアーを終えた小川には「柔道着にさらば」「来年米でプロレス修行」と新たなステージへの期待を込めている。柔道着を脱いだ小川は米国修行を経て、1年後の1999年1月4日、東京ドームで記者の想像の域をはるかに超えたプロレスラーとして橋本の前に立ちはだかるのであった。(酒井 隆之)

1997年11月3日付スポーツ報知
小川直也の4大ドームツアー結果
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