87年夏に常総学院が甲子園で準優勝した時のエースで、同校の島田直也監督(50)は恩師の訃報に驚きを隠せなかった。
横浜(現DeNA)などで活躍後、今年7月に母校の監督就任。今月の秋季関東大会で準優勝した。その報告を兼ねて木内氏のもとにあいさつに行ったばかりだったという。「その時は元気だったんです」。5年ぶりとなる来春センバツ出場を確実としたことで、「よくやった! えらい!」と、初めて褒められたといい「あれはうれしかったですねえ」と、師匠の喜んでくれた姿を回想した。
「高校野球の監督といえば、木内監督。抜きたくても抜けない存在ですし、木内監督に受けた指導が僕の中にあると思います」。恩師は取手二監督時代の84年夏の甲子園決勝のPL学園戦でのワンポイントリリーフなど、巧みな継投策を得意としていたが、島田監督は夏の甲子園で全6試合に完投して準V。「怒られてばっかりでしたけど、信用してもらえてたんですかね…」と振り返った。
「来年のセンバツを木内監督に見てもらいたいという思いがあったし、実際にそうしていただくつもりでしたので、すごくショックです。甲子園のベンチでは、木内監督に力を貸してもらおうと思っています」と天を見上げた。(片岡 泰彦)