【尾車親方の目】初の「押し相撲横綱」誕生信じてる

優勝決定戦、貴景勝(左)は押し出しで照ノ富士を下す(カメラ・清水 武)
優勝決定戦、貴景勝(左)は押し出しで照ノ富士を下す(カメラ・清水 武)

◆大相撲11月場所千秋楽優勝決定戦 〇貴景勝(押し出し)照ノ富士●(22日・両国国技館)

 貴景勝の鬼気迫る立ち合いだった。優勝決定戦。全ての神経を照ノ富士の胸に合わせた。最後に見せた最高の当たり。見事だ。本割で迷走したのは貴景勝だった。照ノ富士が右肩で当たるのか、それとも左上手を取りにくるのか。迷いが馬力を奪ってしまった。追い詰められて腹を決めたのだろう。精神的にも強くなったと実感した。

 貴乃花部屋の消滅、膝のけが、一人大関の重圧。孤独な闘いを続け、その度に乗り越えてきた。特に膝のけがは苦しかった。3日目の霧馬山との一番。土俵際の突き落としで勝ったが、“危険”と背中合わせでもあった。決定戦で見せた相撲を続ければ再発はないと断言できる。

 来場所は綱取りの場所になる。かつて押し相撲だけで横綱になれた力士はいない。貴景勝が尊敬する先代の佐渡ケ嶽親方(元横綱・琴桜)にも右四つという武器があった。それでも私は押し相撲の横綱が誕生すると信じている。一流の武器を持っていれば一流になれる。突っ張って頭で当たり再び突っ張る“貴景勝スペシャル”こそが横綱への道といえる。

 場所前に北天佑さん(元大関)の娘さんと婚約した。今場所は決して一人での闘いではなかった。きっと北天佑さんも天国で喜んでいるに違いない。亡き親友の笑顔を思い浮かべるだけで私まで泣けてきてしまう。(スポーツ報知評論家)

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