【特別企画】現状に満足しない男の本塁打量産…坂本勇人2000安打への道

2019年8月17日阪神戦で自己最多となる32号を放った坂本勇人
2019年8月17日阪神戦で自己最多となる32号を放った坂本勇人

 巨人の坂本勇人内野手(31)が8日のヤクルト戦(東京D)の初回、左翼へ二塁打を放って通算2000安打を達成した。

 スポーツ報知では「坂本勇人2000安打への道」と題して、これまでの勇人の活躍を当時の記事で振り返る特別企画を実施。歴代の「坂本番」記者が選んだ思い出の記事を全34回で紹介する。

 31回目は2020年担当・小林圭太記者の「本塁打量産の理由に迫る」。

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 巨人は坂本勇が初回に自己最多となる先制32号ソロを放って主導権を握り、先発・高橋が6回2安打無失点で5勝目をマーク。3連勝で2位浮上のDeNAとは5ゲーム差とした。優勝へ力強くけん引しているのが本塁打リーグトップを走る坂本勇。昨年、西武担当だった巨人担当の小林記者が、2年連続パのキングを狙う山川と比較し、本塁打量産の理由に迫った。

◆巨人4-2阪神(2019年8月17日・東京ドーム)[勝]高橋 12試合5勝4敗[敗]西 20試合5勝8敗〔セーブ〕デラロサ 15試合1勝4セーブ▼[本]=坂本勇32号(西・1回)北條4号(高木・8回)福留6号(高木・8回)▼[二]=亀井、ゲレーロ

 坂本勇の卓越した技術が上回った。打球は吸い込まれるように左中間最前列へと飛び込んだ。「いい先制点になってよかった」。初回1死。西の初球、外角のスライダーに反応し、先制のソロ。これが決勝弾となり自身最多の32号。10年の31本塁打を抜き、キャリアハイに到達した。

 守備でも7回2死で代打・糸原の三遊間への深いゴロを逆シングルで捕球。一塁へ送球しアウトにする好プレー。攻守で活躍しチームを3連勝に導いた。

 昨年、西武担当だった記者は山川の47本の本塁打を見た。その視点から、それぞれ両リーグでキングの坂本勇、山川2人の思考やプレーを独自に比較した。

〈1〉打撃スタイル 

 山川は積極的に振りにいく。「振らないと、(球とバットが)どれくらいの距離感になるか分からない」。相手が初顔だろうと待たない。一方、坂本勇はボール球に手を出さず、甘い球を待って仕留めるケースが多い。主に4番を打つ山川と今季2番が多い坂本勇の打順の違いもある。どちらが良いとは言えないが、四球を選んで中軸に回されるのを敵は嫌がる。そのため、甘く入った球を仕留めることが、坂本勇のアーチが生まれる要因の一つだろう。

〈2〉広角打法 

 どの方向にも打てるのが坂本勇の武器。春季キャンプ中、ティースタンドに置かれたボールに強振を繰り返し「強く振る意識」を植え付けた。飛距離向上へ取り組んだ練習が結果になって表れている。山川の本塁打はほとんど中堅より左。二塁手が二塁ベース後方に就くシフトが敷かれることもある。それでも「僕はマン振り(強振)したら左にしか飛ばない。僕のチームバッティングは長打、ホームランを打つこと」(山川)と対照的だ。

〈3〉体の使い方 

 身長176センチ、体重100キロを超える山川と身長186センチ、体重83キロの坂本勇では体格に差がある。山川が「(坂本勇は)リーチが長い。身長が高くて扱いがうまければその分、力は出る。遠心力も使って小さい人より飛ばせる」と話すように、長距離打者の体格ではないが体のバランスがしっかりしている。この日の一発もやや泳がされながら、体の軸は崩されなかった。プロ13年目の経験から練習量や体のケアなどのペースをはかり、体幹をキープしている。

 相違点だけでなく、2人にはどれだけ豪快な一発を放っても現状に満足しないという、常に上を目指す共通点もある。リーグの本塁打キングを走るが「1本でも多く打てるように頑張ります」と坂本勇。主将のアーチは止まりそうにない。(巨人野手担当・小林圭太)

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