【巨人】原辰徳監督に悲壮感なし「1点を取ったところで、スタートを切った」

ベンチから戦況を見つめる原監督(中)(右は大城)
ベンチから戦況を見つめる原監督(中)(右は大城)

◆SMBC 日本シリーズ2020第1戦 巨人1―5ソフトバンク(21日・京セラドーム大阪)

 8年ぶり23度目の日本一を目指す巨人は、初戦にエース菅野を送り出したが栗原に先制2ラン&ダメ押し2点二塁打を許すなど1―5で敗れた。打線は先発の千賀からモイネロ、森とつながれ、9回ウィーラーの犠飛で1点を奪うのがやっと。これで日本シリーズ(S)は13年の第7戦から6連敗となったが、原監督は「1点を取ったところで、スタートを切ったということ」と22日の第2戦へ前を向いた。

 悲壮感はなかった。原監督は、光の部分にのみ視点を集めた。5点を追う最終回、相手の守護神・森を攻め、1死満塁からウィーラーの左犠飛で1点を返した。だが、そこまで。2年連続同じカードとなった決戦が、2年連続の黒星発進となった。「走者はよく出るけどね。(最終回に)1点を取ったところで、スタートを切ったということでしょう」。次戦につながる流れを、反攻劇の幕開けと位置づけた。

 球界屈指の剛腕・千賀に対し、粘りは発揮できた。チーム全体で“お化けフォーク”を含めた低めに来る変化球を見極め、浮いた直球を狙う対策は見て取れた。最大の好機は2点を追う4回。坂本、岡本が連続で四球を選び、無死一、二塁とした。ここで丸は2球、外角低めのスライダーを見極め、次の直球をはじき返した。惜しむらくはそれが、低めのボール気味の球であり、遊ゴロ併殺となったこと。読み、対策通りに果敢に仕掛けたまでは良かったが、やはりここぞの場面で中軸が結果を残してこそ、勢いは生まれるもの。7回無失点の好投を許した。

 常に原監督は言う。最大7試合の日本シリーズ。「短期決戦とはいえ、長丁場。1つや2つ(勝った、負けたでどうこう)というところもあるし。いろいろなものが凝縮されていると思っている」。もちろん先手必勝は鉄則だが、2度の移動日も挟み、技術面の修正、気持ちを整える時間もある。「どういう状況になっても『今からまたスタートだ』と。そういう精神でやっていきたい」。戦前にそう話した通り、プロとしての総合力を問われるのが、日本シリーズ。究極的に言えば、3敗まで負けられるのだ。

 だから、だ。試合前のミーティングで特別な言葉を必要としなかったのも、シーズン同様の野球を貫こう、という意志の表れだろう。「いい準備ができました。いいメンバーで今日から戦います。ジャイアンツらしくノビノビとハツラツと、そして揚々と戦っていこう」。勝っておごらず、負けて引きずらず。指揮官の信念は決して、ブレることはない。

 多くの選手に独特の雰囲気を経験させたことも収穫だ。8回、モイネロがマウンドに上がると若林、石川を次々に代打に送り“目慣らし”をさせ、その裏には岸田にマスクをかぶらせた。「いい緊張感の中でね。岸田にしても、戸郷にしてもね。いい材料もあるし、それをつなげていく」。決戦は始まったばかり。劣勢をはね返す強さを、今季は見せる。(西村 茂展)

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