【掛布雅之ZOOM】見極めていたお化けフォーク…振ってしまった丸佳浩が背負う十字架の重さ

ベンチから千賀の投球を見つめる巨人ナイン
ベンチから千賀の投球を見つめる巨人ナイン

◆SMBC 日本シリーズ2020第1戦 巨人1―5ソフトバンク(21日・京セラドーム大阪)

 スポーツ報知では豪華評論家陣が、巨人とソフトバンクの頂上決戦を毎試合、論じる。初戦は掛布雅之氏(65)。勝敗を分けた4回無死一、二塁の丸の併殺打を中心に深掘りした。

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 丸が背負う十字架の重さを感じさせられた。4回無死一、二塁の第2打席。2ボールから低めのボール球の直球に手を出して、遊ゴロ併殺打だった。選球眼のいい丸なら見逃せる球だった。広島時代から5年連続のリーグ優勝となったが、日本一は経験していない。特に昨年の日本シリーズでは13打数1安打に抑えられて迎えた初戦だ。「絶対に打ちたい」という気持ちが悪い方向に出た。

 2点差のあの場面。千賀は巨人打線の見極めに苦しみ始め、坂本、岡本が連続四球で無死一、二塁。丸がしっかり見逃していれば3ボールとなり、その後の展開は違っていた可能性が高い。中盤以降は一方的な流れとなり、1球の怖さを改めて感じた。

  • 4回無死一、二塁、遊ゴロ併殺打に打ち取られた丸(右)

    4回無死一、二塁、遊ゴロ併殺打に打ち取られた丸(右)

 巨人は結果的に千賀に7回を無失点に抑えられたが、あと1歩まで追い込んでいた。ミーティングで練った対策は決して間違いでなかったということだろう。お化けフォークと称される千賀の決め球は、見逃せばストライクになる確率が低い。各打者が手を出すのを我慢して、球数を放らせていた。「見極め」という点に関してはセ・リーグの野球に分があり、その長所を生かした攻撃ができていた。ボディーブローは確実に利いていた。次回の対戦があれば、やり返す余地は十分にある。

 菅野もまた、丸と同じで昨年のリベンジ、初めての日本一への強い気持ちが空回りした面がある。初回は三者凡退で抑えたが、力みからか球自体は高かった。2回無死一塁で栗原に浴びた2ランは、2ボールからカウントを取りにいったスライダーの失投だった。

 打った栗原はファーストスイングでどんぴしゃのタイミングで捉えた。打撃というのは一振りでガラリと変わる。自信をつけたことで、打席の中で余裕が生まれ、2打席目、3打席目の二塁打につながった。栗原はCSの2戦ではヒットがなかった。一振り目で結果が出ていなければ、CSの悪い内容を引きずってもおかしくなかった。

 初戦を取ってソフトバンクが優位に立ったのは間違いない。巨人が流れを変えるにはクリーンアップの一発しかない。(阪神レジェンド・テラー、スポーツ報知評論家)

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4回無死一、二塁、遊ゴロ併殺打に打ち取られた丸(右)
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