「吉永さんと会う前、必ずおなか痛くなるんだよ」…岡田裕介さん悼む

社長室への社員の立ち入りも歓迎した岡田裕介さん
社長室への社員の立ち入りも歓迎した岡田裕介さん

 俳優、プロデューサーとしても活躍した東映グループ会長の岡田裕介(おかだ・ゆうすけ、本名・剛=つよし)さんが18日午後10時58分、急性大動脈解離のため、東京都内の病院で死去した。71歳。同社が20日、発表した。葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は妹の高木美也子(たかぎ・みやこ)さん。後日、お別れの会を開催予定。吉永小百合(75)作品の製作をライフワークとしたほか、日本映画製作者連盟(映連)会長として映画産業の発展に尽力し、映画界のドンとも呼ばれた。

 健康な時がなく、いつも満身創痍(そうい)という印象だった。病院通いも多く、常にメンテナンスしているので大病とは無縁と思っていた。数年前は帯状疱疹(ほうしん)で苦しんでいた。あいさつ代わりに体調を聞けば一度も「元気になった」という話はなく、必ず「全然ダメだよ、今度は〇〇がおかしい」と聞かされた。

 アルコールは飲まない。昔はチェーンスモーカーだったが10年ほど前から禁煙していた。9・11の後、米ロスに海外出張取材があった。手掛けた作品のワールドプレミア。血圧が上がり過ぎて入院中だったが、病室を抜けて現地入り。「天井がぐるぐる回る」とふらつきながら取材対応していた。

 強がりを含んでいたのか「俺は父親に一度も叱られたことがない」が口癖だった。岡田茂という偉大な父を持ち、比較と重圧に苦しんだ時期もあったに違いない。東映本社の会長室の隅には茂さんの仏壇のようなコーナーがあった。茂さんのスーツを作り直して着ているとも聞いた。

 「北京原人」のことを聞けば「興行的にはダメだったが、実験的作品だから後悔はない」といい、ずっと独身でいることに「縁がないんだ。そうかなと思ったらふられたり、ふらふらこうなっちゃった」。こちらが聞きにくそうにしていると、サービス旺盛に返ってきた。

 父の放つカリスマ性とは真逆のタイプ。人懐っこい親分肌で多くの社員から愛された。「俺、こんな仕事してるけど映画あまり好きじゃないんだ」とこぼしていた。特に映連会長になってからは責務として向き合っていただろう。吉永小百合作品に力を入れたのは自身もサユリストだったから。「だから吉永さんと会う前、今も必ずおなかが痛くなるんだよ」と話すかわいらしい人だった。あまりに唐突すぎて、今はまだ受け止めることができない。(内野 小百美)

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