【箱根への道】ルーキー四天王、止まらぬ勢いその底力

今年の学生駅伝界で大活躍するルーキーたち。左から順大・三浦、中大・吉居、青学大・佐藤、東海大・石原
今年の学生駅伝界で大活躍するルーキーたち。左から順大・三浦、中大・吉居、青学大・佐藤、東海大・石原
学生駅伝1年生「四天王」比較表と、黄金期を築いた青学四天王
学生駅伝1年生「四天王」比較表と、黄金期を築いた青学四天王

 学生駅伝界にルーキー旋風が吹いている。トラックシーズンから好記録を連発していた各校の1年生がロードでも規格外の強さを発揮。1日の全日本大学駅伝では、3000メートル障害日本歴代2位の三浦龍司(順大)、石原翔太郎(東海大)、佐藤一世(青学大)がそれぞれ1、4、5区で区間新記録で区間賞を獲得した。5000メートルU20日本記録保持者・吉居大和(中大)も、14日に1万メートルで同歴代3位の28分8秒61をマークするなど、止まらぬ勢いを見せる新人「四天王」の底力に迫った。

 入学から7か月で、驚異の走りを見せる各校のルーキーたち。19年全国高校駅伝1区(10キロ)を6人が28分台で走破したハイレベルな世代で、大学デビュー前から能力の高さは折り紙付きだった。それでも周囲の予想を大きく上回る内容、結果を示し続け、今季の主役に躍り出ようとしている。

 まず頭角を現したのは「マルチ」な三浦だ。3000メートル障害高校記録保持者の初戦となった7月のホクレンディスタンスチャレンジ(DC)千歳大会で、同種目日本歴代2位となる8分19秒37をマーク。「東京五輪の延期があってもなくても、本気で代表を狙っていました。とはいえ、自分でもびっくりです」と18歳らしい笑顔で振り返った。

 さらに、10月の箱根予選会では男子マラソン日本記録保持者・大迫傑(現ナイキ)の持つハーフマラソンU20日本記録を6秒上回る1時間1分41秒で走破し、チームのトップ通過に貢献。その2週間後には、伊勢路で猛者集う1区を圧倒のスパートで制した。「最後は出し切るだけだと思っていました」。揺さぶりに惑わされず、仕掛けどころを見極める勝負勘も魅力だ。

 「スピード」で三浦に引けを取らないのは吉居だ。ホクレンDC千歳大会5000メートルでU20日本新となる13分28秒31。さらに、日本学生対校でも同種目で留学生や上級生を抑えて優勝した。予選会では三浦に6秒差で敗れるも、序盤から積極的な走りを見せて能力の高さを示した。「三浦君に負けたのは悔しい。(駅伝で)同じ区間を走れたら、今度は勝ちたいですね」と刺激し合う。

 石原と佐藤は駅伝での勝負強さが光った。特に「ガッツ」あふれる力強い走りが持ち味の石原は全日本大学駅伝4区で11位でタスキを受けると5人抜きの快走。流れを引き寄せるとともに、16年リオ五輪3000メートル障害代表の塩尻和也(現・富士通)の持つ区間記録を30秒以上更新し「走り終わってびっくりしました。箱根の距離にも対応していきたい」。さらに「ロード」での安定感が持ち味の佐藤も同5区でただ1人、35分台をマーク。それでも「区間新は狙っていました。前半は良かったが、中盤以降落ちてしまったのは課題」と向上心は尽きない。

 今季はコロナ禍で練習環境としても万全だったとは言いがたい。寮が閉鎖されたチームもあり、春先は地元で練習し、競技会の再開は7月。真夏のシーズンインを迎え、例年とは異なる日程だったが、駒大の藤田敦史コーチ(44)は「試合がなく、さらにオンライン授業中心だったこともあって通学時間なども有効に利用できたのではないでしょうか。春から継続して足作りができたことが、秋のレースでの好記録につながったのかもしれません」と話す。伸びしろの尽きない1年生「四天王」。箱根路でどんな歴史を作るのか、目が離せない。(太田 涼)

 ◆大学駅伝の四天王 2004~07年度に活躍した上野裕一郎(中大、現・立大監督)、北村聡(日体大、現・日立監督)、伊達秀晃(東海大)、松岡佑起(順大)の同学年4人は、当時の学生駅伝界を引っ張る存在として「四天王」と呼ばれた。同一チーム内ではハーフマラソン日本記録保持者・小椋裕介(現ヤクルト)らによる「青学大四天王」、順大黄金期を築いた世代の「クインテット」らもいた。

今年の学生駅伝界で大活躍するルーキーたち。左から順大・三浦、中大・吉居、青学大・佐藤、東海大・石原
学生駅伝1年生「四天王」比較表と、黄金期を築いた青学四天王
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