2020年の日本シリーズを制するのはリベンジに燃える巨人か、4連覇を狙うソフトバンクか。スポーツ報知では金村義明氏、川相昌弘氏、高橋由伸氏の評論陣が勝敗を予想。独自目線で戦力分析を行い、巨人2票、ソフトバンク1票と分かれた。
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今シリーズは、坂本が打つ。昨年はソフトバンクに徹底マークされ、4試合で1安打に抑えられた。得意の内角を必要以上に攻められ、上体は開いていき、ボール球に手を出す―といった悪循環だった。
だが、同じ失敗は繰り返さない。2000安打を達成した男だ。同じように“イン攻め”されても、そのインを割り切って捨てるとか、ストライクゾーンの目付けを変えるなど、方法はいくらでもある。苦しんだ経験は必ず生きる。
全試合にDH制が採用されたことで当然、ソフトバンクは戦いやすいだろう。しかし、巨人も若林や重信、増田大や田中俊ら足を使える選手を起用でき、攻撃の幅は広がる。原監督の巧みな采配は光り、選手は確実に応えてきた。一瞬の隙を突き、一気に攻め立てる爆発力も備わった。総合的な攻撃力は原巨人に分があるとみる。
もちろん、ソフトバンクは強い。投手のほとんどが150キロ超の強い直球を投げるし、質がいい。特に初戦の先発・千賀。どの球種も素晴らしく、割り切って臨まないと攻略はできない。直球を待って“お化けフォーク”を捉えることは難しく、どちらかに張るしかない。私が昔、横浜の大魔神・佐々木さんと対戦する時はそんなイメージだった。(スポーツ報知評論家)