【W杯8強に足りない3要素・修正力】失った流れ取り戻せず…“ロストフの悲劇”のフラッシュバック

シュートを放つ原口(AP)
シュートを放つ原口(AP)
メキシコ戦の日本代表 布陣推移
メキシコ戦の日本代表 布陣推移

◆国際親善試合 日本0―2メキシコ(17日、オーストリア・グラーツ)

 日本代表は、2020年最後の国際Aマッチでメキシコ代表に0―2と敗れた。前半こそ互角以上の戦いを見せたが決めきれずに、後半2失点を喫した。森保一監督(52)が「我々の立ち位置を知るための最高の相手」と評していたW杯7大会連続16強入りの実力国に完敗。目標とする22年カタールW杯でのベスト8入りに向けて、足りない“3つの要素”を露呈した。日本代表はオーストリア遠征で予定されていた年内の活動を終了し、来年3月に再開されるW杯アジア2次予選に挑む。

 森保ジャパンが目指すべきベスト8がはるか遠くにかすんだのは、濃い霧のせいではなかった。試合後、主将のDF吉田は、赤く充血した目で厳しい表情を浮かべ、「同じ16強でもこれだけ差がある。自分たちがどこにいるのか、何をしないといけないかが明確になった」と話した。18年ロシアW杯では同じベスト16で敗退したメキシコに、力の差を見せつけられた現実は重かった。

 前半はトップ下のMF鎌田を起点に何度もチャンスをつくり優位に試合を進めた。しかし後半、メキシコは選手交代でMFアルバレスを入れ、鎌田をマンマーク気味に消した。起点を失った日本はミスが出て、ペースを奪われ、その後は流れを取り戻せなかった。MF原口は「したたかというか修正力というか。自分たちが求めていることをやられた。逆に僕らは苦しい時間帯に修正力を出せなかった。そこの差」と、悔しがった。

 原口が語る修正力とは、ロシアW杯決勝トーナメント1回戦のベルギー戦で、勝敗を分けたポイントだった。当時FIFAランク3位の強豪に2点先制も、その後はペースを奪われ、押し切られて逆転負け。“ロストフの悲劇”から2年がたったが、「まさに(自身も出場したベルギー戦が)フラッシュバックした。実力がある相手に対し、何で毎回こうなるんだろうと。正直、またかという感じ」と原口。成長を感じられず、自らへの怒りで口調は強くなった。

 先発の平均身長は日本182・5センチに対し、メキシコは179・2センチ。吉田は「ハードワークし、体格的にも似たような選手が多い。お手本とするチーム」と、W杯常連国を評した。そのメキシコですら1986年を最後に8強入りしていないのがW杯の現実だ。「(W杯まで)2年という時間は長いようで短い。これからどれだけ成長できるかは自分次第」と吉田。W杯までの「中間テスト」と位置づけた試合での完敗。このままでは、日本代表は間違いなくベスト8には届かない。その事実を確認したことが、2020年の収穫だと言うしかない。(金川 誉)

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