【巨人VSホークス激闘史】〈2〉59年「長嶋VS杉浦」初対決でミスター12の3…杉浦MVP全4勝

スポーツ報知
59年、南海・巨人の日本シリーズ第4戦で優勝を決め、胴上げされる南海の杉浦忠

 過去、70回行われた日本シリーズでは、巨人とホークスの対戦は通算11度あった。これは巨人・西武戦の10度を超えて、最も多い。これまでの戦いを全4回で振り返る。

 4度目の対戦となった1955年、南海は第2戦から3連勝して王手をかけた。ところが、巨人が第5戦で捕手に藤尾茂、二塁手に内藤博文、左翼手に加倉井実の若手トリオを起用して流れが変わり、逆転優勝。別所毅彦が2度目のMVPに輝いた。

 長嶋茂雄が58年に立大から巨人入り。テレビが普及し始め、プロ野球も新たな時代を迎えた。59年は立大のチームメートだった南海・杉浦忠がシーズン38勝で最多勝、長嶋も初の首位打者(・334)となって、日本シリーズは2人の対決が注目された。

 杉浦が先発した第1戦は3打数1安打、5回から救援の第2戦は1打数無安打だった。2度目の先発の第3戦は、初回に先制打。だが、7回、右中間を抜くかと思われた打球を守備固めに入っていた中堅・大沢昌芳(後の啓二)が好捕。大沢は追いつかれた9回1死二、三塁でも代打・森昌彦の浅い中飛をつかむと本塁へストライク送球。三塁走者の広岡達朗を本塁3メートル手前で刺し、サヨナラのピンチを阻止。南海は延長10回、寺田陽介の決勝の右中間二塁打で3連勝。南海の鶴岡一人監督は「前回のシリーズの逆転負けがこびりついているので相手に調子づかれないよう押しまくる」と話した。

 第4戦は雨で順延となったこともあって、杉浦を3度目の先発起用。見事に5安打完封で、4戦すべて勝利投手となった杉浦がMVPに選ばれた。長嶋は12打数3安打1打点に抑えられた。大阪の「御堂筋パレード」には20万人が集まったという。

 巨人の川上哲治監督が就任1年目の61年、南海は公式戦20勝の杉浦が8月に右腕の動脈閉塞(へいそく)で戦列を離脱。来日2年目で15勝を挙げた196センチの巨漢スタンカがエースだった。初戦に完封勝ちした右腕だが、第3戦は敗戦。第4戦は1点リードの9回無死一塁でリリーフ登板した。2死後、一塁手・寺田のまさかの落球と長嶋の内野安打で満塁。宮本敏雄への1ボール2ストライクからの1球が微妙なコースでボールと判定されると、スタンカと捕手の野村克也が円城寺満球審に詰め寄った。直後、興奮収まらないスタンカから宮本が右前に逆転サヨナラ打を放ってMVPに輝いた。「円城寺 あれがボールか 秋の空」と詠み人知らずの句が生まれた。(蛭間 豊章=ベースボール・アナリスト)

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