前作から6年、ドラマ再び―のび太の結婚式…20日公開「STAND BY ME ドラえもん 2」

映画「STAND BY ME ドラえもん2」の一場面
映画「STAND BY ME ドラえもん2」の一場面
ドラえもんへの熱い思いを語った山崎貴監督(左)と八木竜一監督
ドラえもんへの熱い思いを語った山崎貴監督(左)と八木竜一監督

 「ドラえもん」の漫画連載開始から50周年を記念した3DCGアニメ映画「STAND BY ME ドラえもん 2」が20日に公開される。八木竜一監督(55)、脚本・共同監督の山崎貴氏(56)のタッグは、大ヒットした前作「STAND BY ME ドラえもん」(14年)からのゴールデンコンビ。「ドラえもんがSFの基礎を作ってくれた」という2人に、前作からの進化と、「ドラえもん」への思いを聞いた。(増田 寛)

 全世界興行収入100億円を記録した前作から6年の月日がたち、待望の続編が公開される。八木監督、山崎監督の2人が特に苦労したのは、大ヒットした前作の記憶だという。「前作は多くの方が見て、好評をいただいた。でも6年もたっていると、記憶が美化されてしまい、それと闘わないといけない。こちらが一生懸命頑張っても、前作と同じくらいにしか思われない。そこが大変でした」と口をそろえる。

 前作超えのために、主に映像を担当していた八木監督は「技術革新もあり、前作より画質が上がった。世界をかなり広く見せることを心がけた」と話す。街や学校にいる群衆を数多く配置し、画面にリアリティーを持たせた。アニメーション製作にかけた人員は、前作の50人から約2倍に大増員した。

 主要キャラクターには言わずもがな、細部にまで手を抜かなかった。髪の毛のツヤや寝癖など、髪1本1本にも余念がない。特に心血を注いだのはキャラクターの手。八木監督は「手の表現で、登場人物の過ごした日々を描いた。おばあちゃんの手のシワシワ感とか、結婚指輪をはめるシーンとか、手のアップを映す時は、肌の質感に力を入れました」。

 漫画原作「ドラえもん」の「おばあちゃんの思い出」と「のび太の結婚前夜」に、のび太としずかの結婚式を描くオリジナルストーリーをかけ合わせた。脚本を担当した山崎氏は「プレッシャーはなかったが、最初は結構苦労しました。藤子・F・不二雄プロからも『ドラえもんの話ではない』と言われたり」と明かす。

 「のび太のおばあちゃんの話が大好きで、どうしてもやりたかった。でも、その後が浮かばなくて。スタッフの『おばあちゃんがのび太の結婚式を見たりして』の一言でピンときた。原作でもおばあちゃんが『のび太のお嫁さんをひと目みたい』と言っていたので。そこからオリジナルストーリーはスルスル書けました」

 幼少期から小学館の学年別学習誌や月刊コロコロコミックなどで、浴びるようにドラえもんを吸収してきた2人。八木監督は「SF心を育てられた。ドラえもんのおかげで、もし未来から自分が来ても、それを信じることができる」。いつタイムスリップしてもいいように、旧札を財布に忍ばせている山崎監督も「今読んでも古くなってない。まだ連載されている気さえしてくる」。ドラえもんを改めて偉大な作品と実感した。

 コロナ禍でエンタメ業界が打撃を受ける中、今作も新型コロナの影響を受け、八木監督は自宅でリモート作業を行いながら映像を仕上げたという。「コロナ禍で家族といる時間が増え、家族を見つめ直すきっかけになったのでは。今作は家族のつながりを描いているので、その絆を再確認しに映画館に足を運んでほしい」

 山崎監督は、興行収入が204億円を突破した大ヒット中のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」(外崎春雄監督)のブームが追い風になっていると感じているという。

 「『鬼滅―』のおかげで、映画館で映画を見ることの楽しさに気がついた人も多いのでは。コロナで足が遠のいてた人も、映画館が安全な場だと認識した人もいると思う。みんなで、のび太の結婚式に参列する気分を味わってほしいです」

 ◆八木 竜一(やぎ・りゅういち)1964年12月19日、東京都生まれ。55歳。87年、映像製作会社「白組」に入社。ゲーム「バイオハザード0」「鬼武者3」などのCG映像製作に携わる。06年からNHK「うっかりペネロペ」、フジテレビ系「もやしもん」の演出を担当。11年、日本初の長編3DCGアニメ「friends もののけ島のナキ」で山崎貴監督とタッグを組み、映画監督デビュー。

 ◆山崎 貴(やまざき・たかし)1964年6月12日、長野県松本市生まれ。56歳。2000年、「ジュブナイル」で監督デビュー。05年に「ALWAYS 三丁目の夕日」で第30回報知映画賞作品賞など映画賞を総なめ。ほかの代表作に「永遠の0」「アルキメデスの大戦」など。東京五輪・パラリンピック開閉会式演出チームにも名を連ねている。12年に映画監督の佐藤嗣麻子さんと結婚した。

 ◆STAND BY ME ドラえもん2 原作漫画の「のび太の結婚前夜」の翌日である結婚式当日を舞台に、のび太としずかの結婚式を描く。ある日、のび太はおばあちゃんに会いたいと思い立ち、ドラえもんの反対を押し切りタイムマシンで過去へ向かう。未来から突然やってきたのび太を信じて受け入れてくれたおばあちゃんの「お嫁さんをひと目見たくなっちゃった」の一言に、のび太はおばあちゃんに未来の結婚式を見せようと決意する。

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