内村航平、鉄棒超大技初成功で世界「金」超えスコア「五輪ができないんじゃないかという考えを変えてほしい」

鉄棒の演技を終えてガッツポーズする内村(カメラ・矢口 亨)
鉄棒の演技を終えてガッツポーズする内村(カメラ・矢口 亨)
難技のブレトシュナイダーを成功させる内村
難技のブレトシュナイダーを成功させる内村
H難度ブレシュトナイダー
H難度ブレシュトナイダー

◆体操 国際大会 友情と絆の大会(8日、東京・国立代々木競技場)

 新型コロナウイルス禍以降、五輪競技で初めて海外勢を招いた大会は日ロ中米の計30人が2チームに分かれて戦った。個人総合五輪2連覇の内村航平(31)=リンガーハット=は、来夏の東京五輪に向け、種目を絞って専念する鉄棒でH難度の大技「ブレトシュナイダー」(コバチ2回ひねり)を試合で自身初成功。鉄棒を演技した12選手中、トップの15・200点をマークした。18、19年世界選手権の鉄棒金メダルスコアを超える高得点で、東京五輪での種目別制覇も見えてきた。

 空中で美しい弧を描き、内村の大技が決まった。鉄棒に専念した“スペシャリスト2戦目”でブレトシュナイダーを自身初成功。9月の全日本シニアでは、ひじが曲がるミスになったが、今回はしっかり決めた。着地もまとめると、両腕ガッツポーズから右腕を力強く突き上げた。

 15・200点は、直近2大会の世界選手権の鉄棒金メダルスコアを上回る高得点(18年はゾンダーランド=オランダ=の15・100点、19年はマリアーノ=ブラジル=の14・900点)。東京五輪での種目別金も視野に入ってきた。「点数はすごく良かった」と手応えを得た一方で、「もう少しいい出来が出せると思った。完成度は満足できていない」と、まだ伸びしろがあることも確信した。

 今大会への代表合宿中に新型コロナのPCR検査で一度、陽性判定を受けた。その後、再検査で「偽陽性」と結論が出たが2日間、合宿が中止に。一時は大きな騒動になったが、練習も再開し無事に出場できた。国際大会は18年世界選手権以来、2年ぶり。交流戦のため鉄棒のほか、床運動など4種目にも出場し、「めちゃくちゃ楽しかった。刺激を受けていい演技ができた」。世界のライバルたちと競う喜びを改めて実感できた。

 コロナ禍で五輪の日本代表選考法は白紙だが、内村は最大2枠獲得できる個人枠での出場を狙うことになる。ライバルは、鉄棒のスペシャリストとして最高I難度の技を持つ宮地秀享(25)で、全日本シニアでは15・366点を出している。壁は高いが、出場できれば金メダルにぐっと近づくことになる。

 閉会式で、選手代表であいさつした内村は、延期となった五輪について「残念だなと思うのが、国民の皆さんの『五輪ができないんじゃないか』という思いが80%を超えていること。できないじゃなく、どうやったらできるのか、考えを変えてほしい。世界にアピールする試合で言わないと多分、届かないと思った」。来夏への第一歩となった大会で、五輪への熱い思いをぶつけた。(小林 玲花)

 ◆ブレトシュナイダー バーを越えながら後方抱え込み2回宙返り懸垂(コバチ)を、2回ひねりながら行う技。14年にアンドレアス・ブレトシュナイダー(ドイツ)が披露し、15年2月にH難度に認定された。鉄棒技の最高はI難度で、宮地秀享は17年に伸身のブレトシュナイダーを決め、I難度の「ミヤチ」として認定されている。

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