【東京六大学】慶大が9回2死無走者から逆転負け 早大・蛭間に逆転2ラン浴びる

スポーツ報知

◆東京六大学秋季リーグ戦最終週第2日▽早大3―2慶大(8日・神宮)

 2―1と慶大がリードして迎えた9回表の早大の攻撃は、簡単に2者が凡退した。マウンドには、8回からクローザーとして送り込まれたエース・木沢尚文投手(4年=慶応)。「勝負あった」と誰もが思った。

 それでも、7番の1年生・熊田任洋遊撃手(東邦)は初球を積極的に狙って左前へ。前日に木沢から勝ち越し2ランを放った蛭間拓哉中堅手(2年=浦和学院)につなぐと、慶大の堀井哲也監督(58)は動いた。左の蛭間に対して、左腕の生井惇己投手(2年=慶応)を投入。この試合で8人目の投手起用という、まさに執念の采配だった。

 あとアウトひとつの場面でエースを降板させるという交代劇の結末は、その驚きをさらに上回るものとなった。初球を振り抜いた蛭間の打球は、センター方向へ舞い上がりバックスクリーンへ。前日に続く2ランで、試合をひっくり返した。

 打たれた生井は、しばらくマウンドでうずくまったまま。3塁側の慶大ベンチの選手も、凍り付いたように動けなかった。「総力戦ということで、選手はよく頑張ってくれた。私の判断。私の力不足だった。本当に選手には申し訳ない」。試合後、堀井監督は選手をかばうように言った。

 9回裏の慶大の攻撃は、8回途中から登板した早大のエース・早川隆久投手の前に無得点。ともに先発した前日に続く“投げ合い”で再び敗れた木沢は、涙を浮かべて試合終了のあいさつを交わした。「自分たちの代で優勝したいと4年間やってきたなかで、最後の最後に僕が投げた試合で負けてしまったのは申し訳ない。熊田選手へのボールは、自分のピッチャーとしての詰めの甘さです」

 生井にマウンドを譲る際、木沢は「ランナーを出すことを嫌がらないで、ゆっくりと堂々と投げてほしい」と伝えたという。「投手陣として戦ってきて、中継ぎも粘ってくれて、ここまで来た。生井にも信頼を置いていたし、何より監督が決めたことですから」と木沢は思いを述べた。

 先発の森田晃介投手(3年=慶応)のあと、木沢までつないだ5人の投手は、4回から7回までを無安打。昨年までトーナメントの一発勝負で行われる社会人野球の監督を務めてきた指揮官ならでは、といえる見事な継投だった。しかし、最後の最後で逃げ切りのシナリオが崩れ、慶大は8月の春季リーグに続き、先に王手をかけながら優勝を逃した。

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