日本、米国、中国、ロシアの4か国による体操の国際大会(東京・国立代々木競技場)が8日行われ、閉会式で男子個人総合五輪2連覇の内村航平(リンガーハット)が、コロナ禍での五輪開催中止論に“待った”をかける場面があった。
閉会式であいさつした内村は「残念だなと思ったことがある」と切り出した。「コロナウイルスの感染が拡大して、国民の皆さんの、五輪ができないんじゃないかという思いが80%を超えているというのは残念。できないじゃなくて、どうやったらできるかを皆さんで考えて、どうにかできるように、そういう方向に考えを変えて欲しいと僕は思います」と訴えかけた。
今大会は、日本、米国、中国、ロシアの4か国が参加して実施。新型コロナ禍が表面化して以降、初めて日本で開催される五輪競技の国際大会として注目されている。IOCのトーマス・バッハ会長も「スポーツの大会を安全に開催できる例となるでしょう。スポーツ界全体にとって、非常に重要なシグナルとなります。今後開催される大会、特に延期された東京五輪への準備を行う上で、私達に自信を与えてくれるものとなるでしょう」とビデオメッセージを寄せた。
内村は鉄棒など4種目を演技し、大会も成功裏に幕を閉じた。コロナ禍でいかに国際大会を実現するか、大きな一歩は刻んだ。「国民の皆さんとアスリートが同じ気持ちでないと、大会はできないと思う。なんとかできる、どうにかできるやり方は必ずあると思う。どうか、できないと思わないで欲しいなと思う」と力を込めていた。