【ちょっといい話】引退の石原慶幸…広島の体育会気質変えた 陰の支柱

引退セレモニーで黒田博樹氏(左)、新井貴浩氏(右)から花束を贈られた石原慶
引退セレモニーで黒田博樹氏(左)、新井貴浩氏(右)から花束を贈られた石原慶
試合後に引退セレモニーが行われ、胴上げされる石原慶幸
試合後に引退セレモニーが行われ、胴上げされる石原慶幸

◆JERAセ・リーグ 広島0―2阪神(7日・マツダスタジアム)

 広島が初めてCS進出した13年。敗退からしばらく後、石原慶に「大舞台は楽しかった?」と聞いてしまった。「楽しいと思って野球をやったことは一度もないですよ」。いつもニコニコと話してくれる男に真顔で反論された。

 02年の入団時は野村、前田、緒方ら一流選手がそろい、ピリピリしていた。石原慶は緊張から「キャンプは“出社拒否症”でした。朝起きたら、球場に行くのがイヤだなって」。レギュラーをつかんでからもチームは低迷。責任を背負う捕手というポジションでもあり、ずっと苦しんで野球に取り組んでいた。

 16年、自身初の優勝を決めた瞬間、マウンドに向かって猛ダッシュした。帰りのバスに乗り込む直前、記者を見つけると、右手を差し出してくれた。「あんなに速く走るイシは初めて見たぞ」。そう冷やかすと、顔をクシャクシャにした。「良かった」。その一言に実感がこもっていた。

 以前の体育会気質とは真逆のノビノビとしたチームに変容。「若い子が力を発揮できれば、これでいいんですよ」。もしベテラン捕手が若手を萎縮させるような存在だったら、優勝はなかったはず。黒田、新井が表のリーダーなら、石原慶は陰の支柱だったと思う。(01~03年広島担当・井之川 昇平)

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引退セレモニーで黒田博樹氏(左)、新井貴浩氏(右)から花束を贈られた石原慶
試合後に引退セレモニーが行われ、胴上げされる石原慶幸
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