【掛布論】坂本勇人の左利き右打ちの特徴を生かした対応力…3000安打達成も可能

スポーツ報知
坂本勇人の内角打ち連続写真

 通算2000安打に残り「2」に迫った巨人・坂本勇人内野手(31)の打撃フォームを、阪神レジェンド・テラーの掛布雅之氏(スポーツ報知評論家)が徹底解剖した。内角打ちと外角打ちの連続写真を見比べながら、左利き右打ちの特徴を生かした対応力の高さを絶賛。プロ野球86年の歴史の中で、総合力ではNO1の遊撃手と位置づけ、3000安打達成も可能と分析した。

 坂本の打撃フォームでまず注目したいのが、【〈4〉】の左足のステップの位置が【〈1〉】の構えた位置と同じこと。通常より広いスタンスで膝を落とし、その高さを保ったまま、テイクバックで引いた左足を元の位置に戻している。目の高さを一定したい意識の表れで、スイングの最中に頭の位置がぶれることがない。【〈5〉】のいわゆる弓矢を張った状態も、左肩が投手に向いたままで全く開いていない。グリップの位置もテイクバックの位置でキープしており素晴らしい。

 【〈6〉】のボールを呼び込む形は右肩が少し下がるのが特徴で、これは現代野球に即したものだ。今の投手は縦の変化球、手元で小さく動く変化球が多く、対応するためにはミートポイントをホーム側にした方がいい。右肩が地面と平行に回ると、今の時代では対応しきれないのだ。【外角〈6〉】を見ても分かるように、バットを体に巻きつかせながら出して、極限までボールを引きつけている。

 【〈7〉】からは内角、外角にコースに応じて、全く違う形だ。内角打ちが天才的と言われるが、上の写真では独特な左肘の使い方が分かる。左脇を開けながら、肘を抜いている。続く【内角〈8〉】では左手首を下にかえすように脇を締めることで、バットのヘッドを走らせ、大きなフォローにつなげている。一連の左腕の器用な使い方は、左利きの右打者ならではだ。

 逆に外角の変化球に対しても【外角〈7〉】のように、左手のリードでさばくことができる。写真では右手を離して、利き腕の左一本でヒットゾーンに運んでいるが、バットのヘッドは下がっていない。

 長距離打者は利き腕の押し込みが重要とされ、坂本は本質的にはホームラン打者ではない。それでも、昨季40発のように長打を兼ね備えるのは、強靱(きょうじん)な下半身を効果的に使っているからだ。【〈5〉~〈6〉】でいったん左足に体重を乗せながら、地面を蹴り返して後ろに戻すほどの強い踏み込みがある。左足のつま先もめくれ上がらないのでパワーのロスがない。

 左利きの利点は守備にもある。利き腕でグラブを扱うのだからハンドリングが上手なはずだ。松井稼頭央ら歴代の名遊撃手と比べても、坂本は186センチという長身が光る。ショートの頭上を越された当たりは左中間への二塁打となりやすいため、メジャーでも背の高いショートが重宝される。まさに坂本はショートをするために生まれてきたような選手だ。打って、守れて、体も強い遊撃手として、総合力ではプロ野球の歴史の中でもNO1と言える。

 12月に32歳という年齢を考えると、3000安打も十分に可能だ。今後、遊撃からのコンバートはあるかもしれないが、150安打ペースを7年続ければ到達する。張本さん、イチローは外野手で、過去に3000安打を放った内野手は日本でいない。球史に残る選手として、ぜひ夢の大台を追い求めてほしい。

巨人

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真 法人向け紙面・写真使用申請