川崎の元日本代表MF中村憲剛(40)が1日、今季限りで引退することを表明した。40歳の誕生日を迎えた10月31日のF東京戦で決勝点を挙げた翌日にオンラインで会見を開き、電撃発表となった。2010年には南アフリカW杯に日本代表として出場。16年には最年長でJリーグMVPにも輝いた。川崎一筋18年の希代の司令塔が、ユニホームを脱ぐことになった。
◆憲剛に聞く
―今の心境は。
「正直ホッとしています。いつかはこの言葉を言う日が来るんだろうなと、ずっと思っていました。自分の中ですごくためていたものがあったので、スッキリしています」
―昨年11月に左膝前十字じん帯を損傷。1年後に今の姿を想像できたか。
「正直難しいだろうなと最初は思いました。でも今年で終わりが決まっていたし、何としてもリハビリをやって戻って、チームの勝利に貢献できるところまでは頑張ると思っていた。ただひとつ言っておきたいのはケガが原因でやめるのは全くない。後遺症もない」
―40歳でバースデー弾。決断は揺らがなかったか。
「揺れは1ミリたりともない。自分らしいプレーで本当に戦えるのは40歳までと決めていたからこそ、やりきれた。3日4日で決めたことではないし、それだけ重い選択でした」
―背番号14への思い。
「14番になってからの自分は本当に良いことずくめ。ミズノさんのモレリア2(スパイク)と14番は自分の代名詞だと思っています。14番は将来、自分の息子が着たら“胸アツ”ですけど(笑い)」
―無名の存在から日本を代表する選手になった。
「体が小さかったり(175センチ、66キロ)、身体能力が高くなくても、Jリーグで40歳までやれる足跡を残せたのは誇れるかなと思います。サッカーがうまくなりたい一心で走ってきた」