◆全日本大学駅伝(1日、名古屋市熱田神宮西門前スタート、三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前ゴール=8区間106・8キロ)
3強アンカー決戦で、最初に脱落したのは青学大だった。首位でタスキを受けたエース吉田圭太(4年)は8・8キロで駒大、東海大に並ばれ、10・6キロで置いていかれた。終盤、明大にも抜かれ、4位に終わった。
「7区まで頑張って先頭でタスキを持ってきてくれたのに、ふがいない走りをしてしまった」とぼう然とした様子で話した吉田。原晋監督(53)は「凸凹(デコボコ)駅伝でしたね」と、8区間中、区間賞が2つあった一方で、区間2ケタ順位が3つあったレースを冷静に振り返った。
近年の大学駅伝界をリードする青学大には、今季、強みも弱みもある。弱みはエースの爆発力。この日の吉田は結果を決める局面で、駒大の田沢、東海大の名取に力負けした。
強みは厚い選手層。学生3大駅伝デビュー戦の3区・中村唯翔(2年)が8人抜きの区間3位、5区・佐藤一世(1年)は区間新記録を叩き出した。また、8区登録から当日変更となった実質「5年生」の竹石尚人(4年)が、今大会前日に東京で行われた1万メートル競技会で28分50秒63の自己ベストをマークするなど、全日本メンバーから外れた選手が5人も28分台をマークした。
全日本に登録されている選手が前日に別のレースに出場することは異例。箱根駅伝では、そうしたリスクを負わない。補欠登録の選手は大会当日朝までレースに出場することを想定して調整を続ける。伊勢路決戦前日の控え組の“テスト”はあくまで箱根路を見据えた強化策だ。「誰が駅伝で本当に戦えるのか、見極める」と原監督。シビアなチーム内競争で生き残った選手10人で戦う箱根駅伝で、青学大が巻き返す可能性は大きい。(竹内 達朗)