◆日本ハム―オリックス(29日、札幌ドーム)
日本ハムの吉田輝星投手(19)が29日、オリックス戦(札幌D)に先発し、6回90球を投げて5安打3失点で降板した。前回登板に続いて自己最長に並ぶイニングを投げたが、同点で7回のマウンドを玉井に譲り、今季初勝利を逃した。
5回までは見事な快投を見せた。初回は吉田正から147キロ直球で見逃し三振を奪うなど三者凡退で好発進。2回も1人の走者も出さなかった。3回には2死一、三塁のピンチを迎えたが大城を右飛。4、5回は再び2イニング連続で三者凡退だった。5回終了時点で2安打無失点。1点リードで、勝利投手の権利もひとまず手に入れた。
だが、今季初勝利へ大きな壁となったのが1―0で迎えた6回。悪夢は1死からだった。福田、大城にともに初球をヒットにされて1死一、二塁で打席は吉田正。2打席目までは見逃し三振、中飛に抑えていたが、1ボールからの2球目を捉えられた。渾身の146キロ直球を振り抜かれると、打球は右翼席へ着弾。まさかの逆転14号2ランだった。吉田輝は、打球を見つめてあ然。後続を打ち取ってベンチに戻って腰をかけてからも、しばらくはぼう然としたままだった。
直後の6回裏には杉谷と西川の連打などでチャンスを作ると、大田の適時内野安打で1点差に詰め寄り、ビヤヌエバの左犠飛で同点に。さらに2死満塁の好機を作ったが、中島が見逃しの三振に倒れて勝ち越せず、輝星に勝利投手の権利が舞い込んでくることはなかった。
今季は4試合目の登板となった吉田輝。試合開始前までの時点での3試合は白星がなく、0勝1敗、防御率5・84にとどまっていた。前回登板の22日ソフトバンク戦(札幌D)ではプロ7試合目の登板にして最長で最多となる6回111球を投げて、6安打4失点(自責2)。敗戦投手にはなったが、最速は150キロをマークして、1軍では初めて中6日での登板となった。
オリックス戦は9月27日にも京セラDで登板。直球が走らなかったこともあって2回途中5安打4失点とKOされた。1か月前の記憶は脳裏に深く刻まれており、登板前日の28日には「リベンジしたいです」とキッパリ。「この前(前回登板)、自分なりに自分らしい投球が出来ましたけど、ちょっと5回の(グラシアルの)センター前ヒットで点数を取られて、あそこを抑え切れればという感じだった。ああいう場面で絶対にピンチが来るので集中していきたいです」と気合を入れていた。