東洋大エース西山和弥は補欠に温存 8区は勝負の宮下隼人 全日本大学駅伝エントリー

東洋大の西山和弥
東洋大の西山和弥

 学生3大駅伝の今季開幕戦となる全日本大学駅伝(11月1日、名古屋市熱田神宮西門前~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前=8区間106・8キロ)の区間登録が29日、締め切られ、5年ぶり2度目の優勝を狙う東洋大は、エースの西山和弥(4年)が補欠登録で温存された。レース当日の区間変更で主要区間への投入が見込まれる。最長の最終8区には、今年の箱根駅伝5区区間賞の宮下隼人(3年)が登録された。

 2015年の全日本大学駅伝優勝を最後に学生3大駅伝の栄冠から遠ざかっている強豪、東洋大に頼もしい男が帰ってきた。「今季、西山は殻を突き破りました。全日本大学駅伝では主要区間に起用します。エースの仕事をしてくれるはずです」と酒井俊幸監督(44)は期待を込めて話した。

 西山は1、2年時は箱根駅伝1区で区間賞を獲得したが、昨季は出雲駅伝1区10位、全日本大学駅伝5区11位、箱根駅伝1区14位と精彩を欠いた。最終学年の今季は強い覚悟で迎えた。夏にマラソン日本記録保持者の大迫傑(29)=ナイキ=が主宰する夏合宿に参加し、復活の手応えをつかむと、9月の日本学生対校1万メートルでは日本人2位の5位と好走。10月17日に宮崎・延岡市西階総合運動公園陸上競技場で行われた宮崎県長距離記録会1万メートルでは27分55秒76とトップを取った先輩の相沢晃(23)=旭化成=に食らいついて今季日本人学生最高の28分3秒94をマークし、完全復調を果たした。

 全日本大学駅伝は18年大会から区間割りが大きく変更された。8区間と106・8キロの総距離は従来と同じだが、最終8区を除く7区間の距離が変わった。1区が最短の9・5キロで、2区から6区まで11・1キロ~12・8キロのスピード区間。7区が17・6キロ、8区が従来通り最長の19・7キロとロング区間となった。「先手必勝」が駅伝の定石だが、終盤2区間の距離が全体の35%を占めるため、区間配置は難解。各監督の腕の見せ所となる。出場25校は29日まで8区間と補欠5人を登録し、大会当日朝に3人以内の補欠選手を任意の区間に投入できる(区間登録された選手の区間変更は認められない)。西山が主要区間に投入されることは確実で、その走りが注目される。

 東洋大のもう一枚の切り札が宮下だ。昨年、区間8位と堅実に走った8区を再び担う。「昨年は経験の8区。今年は勝負の8区です」と酒井監督は宮下に絶対の自信を寄せる。

 福島・学法石川高出身の即戦力ルーキー松山和希(1年)は前半のエース区間に2区に登録された。昨年12月の全国高校駅伝1区(10キロ)では区間賞を獲得した八千代松陰高校の佐藤一世(現・青学大)と2秒差の区間2位、今年1月の都道府県対抗男子駅伝では5区(8・5キロ)では区間記録タイの区間賞を獲得しており、駅伝では抜群の強さを誇る。1区の児玉悠輔(2年)、3区の佐藤真優(2年)、4区の前田義弘(2年)と前半区間は1、2年生だけの登録となった。新戦力の台頭が期待される。

 例年であれば、学生3大駅伝開幕戦となる出雲駅伝(10月)が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。変則的に今季の開幕戦となった全日本大学駅伝は感染拡大防止のため“新様式”で開催される。例年、オープン参加している日本学連選抜と東海学連選抜は編成されず25校が出場。チームエントリーの選手登録は例年より3人増の16人。開会式、閉会式は実施されず、走り終えた選手の収容バスは例年のようにゴールには向かわず名古屋方面に戻るなど、あくまでレース本位の形で、駅伝ファン待望の開幕戦が行われる。大会主催者は「新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、コース沿道での観戦、応援をお控えくださいますようお願いいたします」と呼びかけている。

 今年の箱根駅伝で2年ぶり5度目の優勝を果たした青学大、全日本大学駅伝で2年連続3度目の優勝を狙う東海大、学生3大駅伝で単独最多の22勝目を目指す駒大の「3強」が優勝争いの中心となりそうだ。東洋大は3強を崩し、伊勢路の主役を狙う。また、今季は戦力充実の明大、箱根駅伝予選会(10月17日、東京・立川市)で堂々のトップ通過を果たした順大の躍進も期待される。

 東洋大の区間登録、補欠登録の選手は以下の通り。

▽1区(9・5キロ)児玉悠輔(2年)

▽2区(11・1キロ)松山和希(1年)

▽3区(11・9キロ)佐藤真優(1年)

▽4区(11・8キロ)前田義弘(2年)

▽5区(12・4キロ)大沢駿(4年)

▽6区(12・8キロ)腰塚遙人(3年)

▽7区(17・6キロ)吉川洋次(4年)

▽8区(19・7キロ)宮下隼人(3年)

▽補欠 西山和弥(4年)、小田太賀(4年)及川瑠音(2年)、清野太雅(2年)、九嶋恵舜(1年)

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