◆パ・リーグ 西武4―3楽天(28日・メットライフドーム)
頼れる男の一振りが、クライマックスシリーズ(CS)進出へ大きな勝利をもたらした。4番・栗山が振り抜いた打球は右翼手の頭上を越えると2人の走者は全力疾走で生還。球場は拍手に包まれた。
1点リードの6回1死一、二塁、涌井の甘く入った119キロカーブを逃さなかった。リードを3点に広げる2点右越え二塁打を放ち、二塁ベース上で小さく笑った。「チャンスだったので結果を恐れることなく、しっかり振ろうと思った」
今季は不動の4番・山川が打撃不振に陥り、シーズン終盤になっても4番は固定されないまま。メヒアや中村、外崎に加え、チームトップの打率2割8分1厘を誇る19年目のベテラン栗山も、ここまで8試合で4番に座っている。だが、4番での打率は1割6分7厘。「機能した方が打線として活発になる場所。足を引っ張らないように頑張ろうという意識なんですけどね…」と必死で、この日はしっかりと役目を果たした。
18年からリーグ連覇を成し遂げながらも、2年連続CSで敗退。宿敵ソフトバンクに勝てずにいる。「ニュースで見た」という27日のソフトバンクの優勝には「もちろん悔しい」と唇をかんだが、「今度はうちがCS2位から日本シリーズに出たい」と力を込めた。
CS進出への“逆転切符”をつかめる位置まできた。2位・ロッテとの最大9ゲーム差を「1」まで縮めた。残りは11試合。試行錯誤を繰り返しながらも、怒とうの追い上げ態勢に入った。(森下 知玲)