【森永卓郎の本音】なぜ国民はコロナ対策を支持するのか

経済アナリスト・森永卓郎氏
経済アナリスト・森永卓郎氏

 読売新聞社が今月16~18日に実施した全国世論調査で、新型コロナウイルスを巡る政府のこれまでの対応を「評価する」と答えた人は56%で、8月7~9日調査の27%から2倍以上の割合に上昇した。国民の評価が突然高まった理由は何か。私は、10月8日にアジア・パシフィック・イニシアティブ(以下APIと略称)が発表した「新型コロナ対応・民間臨時調査会」の検証報告書の影響が大きいと考えている。

 APIは、前身である日本再建イニシアティブ時代に「福島原発事故・民間事故調」や「民主党政権 失敗の検証」を発表するなど、民間の立場で政策評価をしてきた。今回の報告書は、入国制限の遅れなど細かいミスはあったものの、結果的には感染の抑制に成功して、日本政府の対応に根本的な問題はなかったという趣旨になっている。

 しかし、本当だろうか。APIの報告書が、結果的に良かったとする最大の根拠は、欧米と比べて人口当たりの感染者数や死亡者数がケタ違いに少なくなっていることだ。だが、東アジアや東南アジア地域は、ファクターXと呼ばれる何らかの要因によって、新型コロナの影響を受けにくい。だからアジアの中で比べると、日本の死亡者数はトップクラスの多さなのだ。しかも、中国やベトナムはコロナの封じ込めに成功し、韓国もほぼ封じ込めた。日本のコロナ対策は、感染抑制という意味では、最大の失敗を犯しているのだ。

 ところが、APIは「ファクターX」を調査の対象にすらせず、政府批判を装いながら、政府に都合の良い結論を導いている。マスメディアは、政府批判は得意だが、相手が「民間」になると途端に及び腰になる。相手が民間であっても、きちんと批判をしないと、国民が判断を誤るのだ。(経済アナリスト)

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