【巨人】岩隈久志、引退を決断した右肩脱臼…「最後の1球」の舞台裏

原辰徳監督(右)とグータッチをする岩隈久志(カメラ・中島 傑)
原辰徳監督(右)とグータッチをする岩隈久志(カメラ・中島 傑)

 今季限りで現役引退する巨人の岩隈久志投手(39)が23日、東京ドーム内で引退会見を行った。会見の序盤には花束を持った原監督(62)がサプライズ登場。10月にシート打撃が行われた際に投じた初球で右肩を脱臼し引退を決断したと「最後の1球」の舞台裏を明かした。11月7日のヤクルト戦(東京D)後に引退セレモニーが行われる。

 岩隈はすっきりとした、爽やかな表情だった。「最後の最後まで挑戦させていただいたことに心から感謝しています」とあいさつした直後だった。原監督が会場に花束を持ってサプライズ登場。そして、引退を決断した舞台裏が明かされた。

 日本球界復帰2年目。2017年秋に受けた右肩手術の影響でリハビリ生活が続いたが、今シーズンに再起をかけていた。原監督も岩隈を復活させたいという思いが強く、せめて日本シリーズでもという希望を持ち、10月上旬に非公開で行われたシート打撃に右腕を呼んだ。全力で投じた初球だった。ボールは打者に当たってしまい、岩隈は右肩を脱臼した。その場でひざまずくほどの激痛だった。それから約1週間後、日米通算170勝右腕はユニホームを脱ぐ決断を下した。

 「僕自身も何とかここで勝負をかけないといけない。次のステップが見えるように勝負させてもらって上がったマウンド。その1球が僕のできる限り集中して全力で投げた1球だった。その1球で体力的な限界を含めて引退を考えました」

 ジャイアンツで挑戦すると決めたのも原監督からの声かけだった。09年のWBCでは指揮官の下で世界一に貢献。熱い思いを感じていたからこそ、恩返しの気持ちで奮闘し続けた。

 原監督「(3度目の監督に就任し)一番最初に白羽の矢を立てたのは岩隈投手。結果的にジャイアンツのメンバーに加わってくれた。非常に勇気がわいた瞬間だった。2人の夢はかないませんでしたが、最後の最後まで戦っている姿は非常に強く印象に残っている。世界一の監督にしてもらった感謝は忘れません」

  • 引退会見で原監督(右)と感極まった表情で握手を交わす岩隈(カメラ・中島 傑)

    引退会見で原監督(右)と感極まった表情で握手を交わす岩隈(カメラ・中島 傑)

 最後はグラウンドでかなうことができなかったグータッチ。温かい空気が会場を包んだ。岩隈の今後については未定だが「いずれは野球の伝道師でいられるような存在でありたい」と未来像を明かした。「感謝という一言に尽きる」と、21年のプロ野球人生に幕を下ろした。(玉寄 穂波)

 ◆岩隈 久志(いわくま・ひさし)1981年4月12日、東京・東大和市生まれ。39歳。堀越高から99年ドラフト5位で近鉄入団。2005年から球団創設1年目の楽天に所属。08年には21勝4敗、防御率1.87で最優秀防御率、パMVP、沢村賞などを獲得。海外FA権を行使し12年マリナーズに移籍。17年9月に右肩の手術を受け、18年マイナー契約。19年に巨人入団。日米通算170勝108敗、防御率3.31。190センチ、95キロ。右投右打。年俸2000万円。

原辰徳監督(右)とグータッチをする岩隈久志(カメラ・中島 傑)
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