高橋優「音楽に生かされている」、全国ツアー中止で未来へ不安も「原点」が払しょく…21日新アルバム発売

デビュー10周年の高橋優。「新しいフィールドに立ちたい思いは常にある」と貪欲だ(カメラ・橘田 あかり)
デビュー10周年の高橋優。「新しいフィールドに立ちたい思いは常にある」と貪欲だ(カメラ・橘田 あかり)

 シンガー・ソングライターの高橋優(36)が、21日に新アルバム「PERSONALITY」を発売する。「STARTING OVER」(18年)以来2年ぶりのアルバム。新型コロナウイルスの影響で全国ツアーが2月末に中止になった悔しさを原動力に、15曲を書き上げた。メジャーデビュー10周年を迎えた高橋が、コロナ禍の曲作りや10周年の心境、この先の夢などを語った。(加茂 伸太郎)

 眼鏡の奥の鋭い眼光から、音楽活動への熱い思いがあふれ出た。「未来に大きなものが待っている―。その実感が強いので楽しみです」。節目の年を迎え、高橋は期待感を口にした。

 年が明けて、新型コロナの影響を受けた。11公演を残して2月29日以降の全国ツアーが中止になり、自身も途方に暮れた。「世の中(の全体)が、元に戻らない不安に駆られたと思う。緊急停止させられたことが悔しかったし、つらかったです。自分が何に向かっていいのか、一瞬、分からなくなりました」

 先の見えない未来への不安や未知のウイルスへの恐怖、コロナ報道のあり方に対する疑問。様々な感情をリセットさせてくれたのが音楽だった。「『音楽』に生かされていると思って、コロナ禍を過ごしてきた。趣味に投じたという人がいたけど、僕もそうだった。『好きなことをやっていいよ』と言われれば、曲を書くんだなと思いました」

 歌手を目指すきっかけは高校時代(99年)に地元の秋田・大館樹海ドーム(現ニプロハチ公ドーム)で見たB’zのライブ。当時に戻ったかのように、数か月間、曲作りに没頭した。「原点は独りで部屋に籠もって、うれしい気持ちも、鬱屈(うっくつ)した気持ちも自由に書いて曲にすること。負の感情も、正の感情も全部吐き出した。『この曲は流せない』『この曲は高橋優に合わない』といった(余計な)ことを気にしなくていい。書いていて楽しい曲作りは、インディーズ以来だったかもしれない」

  • 新アルバム「PERSONALITY」のジャケット写真
  • 新アルバム「PERSONALITY」のジャケット写真

 今作には、蔦谷好位置氏をサウンドプロデューサーに迎えた「one stroke」やR&Bテイストの「room」、MVでピアノ演奏を初披露したバラード「自由が丘」など15曲を収録。「10周年のメモリアルアルバムを出さなかったのが自分らしいなと。到達点ではなく、現時点の“ベスト”のアルバムです」

 高橋はクリエイティブディレクター箭内道彦氏のプロデュースを受け、10年にシングル「素晴らしき日常」でメジャーデビューした。11年に東京メトロCM曲「福笑い」が話題に。ダイハツ・キャストのCM曲「明日はきっといい日になる」、17年のテレビ朝日系「熱闘甲子園」のテーマ曲「虹」がヒットした。

 モットーは「一歩一歩着実に」。13年に日本武道館公演、17年にアリーナ公演が開催できるまでに成長を遂げたが、慢心はない。「デビューしてすぐに売れて社会現象になったとか、一発屋でいなくなったとか、どちらも経験することなくここまで来た。大成功はないけど、小さな成功を積み重ねて来られたと思う。だからこそ10年間やって来ることができたし、一方でいまだに満足していない自分もいます」

 15周年、20周年に向けて「何をしでかすか分からないヤツでありたい」と掲げた。「悪い意味じゃないですよ(笑い)。そのスタンスは変わらない。そういう思いが尽きたら、この世界から消えてしまう。まだアイデアやモチベーション、バイタリティーはマグマのように出てきている。次の一日また次の一日、次の一歩また次の一歩という気持ちです」。地に足を付けて進んでいく。

 ◆高橋 優(たかはし・ゆう)1983年12月26日、秋田・横手市生まれ。36歳。2002年自主制作アルバム「Sepia」発売。08年に札幌から東京に活動拠点を移す。15年ベスト盤発売。19年亀田誠治氏と「メガネツインズ」として初の東名阪ツアー。秋田県のあきた音楽大使第1号。

 ◆ライブで秋田盛り上げたい

 高橋は、16年から秋田県内をまわる野外音楽フェス「秋田CARAVAN MUSIC FES」を開催中。第1回は地元の横手市だった。「何十人しか来ないかもという不安がよぎるし、そういう夢も見た(笑い)。お世辞にも交通の便がいいとは言えない場所に、2日間で2万近くが来てくれた。その半分ぐらいが秋田県民ということも収穫だったし、得るものも大きかった」としみじみ。「『秋田を盛り上げたい』という輪が広がっていってほしい」と願った。

デビュー10周年の高橋優。「新しいフィールドに立ちたい思いは常にある」と貪欲だ(カメラ・橘田 あかり)
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