【特別企画】田中将大へのライバル心が成長を後押し…坂本勇人2000安打への道 あと19本

2008年6月16日楽天戦、中前打を放った坂本勇人
2008年6月16日楽天戦、中前打を放った坂本勇人

 巨人の坂本勇人内野手(31)の通算2000安打達成へカウントダウンの日々が続いている。スポーツ報知では「坂本勇人2000安打への道」と題して、これまでの勇人の活躍を当時の記事で振り返る特別企画を実施。歴代の「坂本番」記者が選んだ思い出の記事を全34回で紹介する。

 6回目は2008年担当・水井基博記者の「少年野球チーム同級生の楽天・田中とプロ初対決」。

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◆巨人3-2楽天(2008年6月16日・Kスタ宮城)[勝]内海 13試合5勝4敗[敗]田中 13試合6勝4敗▼[本]=ラミレス19号(田中・2回)▼[二]=古城、鈴木尚、リック

 全神経をバットに集中させた。坂本の打球は親友の横を抜け、二塁手・高須のグラブをはじいた。中前へ抜けていくと、心の中で「よっしゃー」と叫んだ。兵庫県伊丹市内の少年野球チーム「昆陽里(こやのさと)タイガース」時代に同級生だった田中が天を仰いだ。

 「そりゃ、意識しますよ」と迎えた3回先頭のプロ初対決。5回の第2打席ともに右飛に倒れたが、「直球もスライダーも切れる投手なんで、センター方向を意識していた」と内容には納得していた。7回2死で145キロ高めの直球を中前安打。9回には右前にはじき返し、4打数2安打。

 9回無死二塁の守備では山崎武のセンターへ抜けそうなゴロを好捕し、1回転して一塁へストライク送球。内海の完封を演出した。原監督は「軍配を上げるとしたら坂本の勝ちでしょう」とうなずいた。

 試合後、田中は「打たれたのでね。そういうこともあるかな」とポツリ。坂本も「勝った? そんなことないです」と互いを思いやり、感情を胸の中にしまいこんだ。昔の思い出が頭の中を駆けめぐっていた。

 2人は小学1年で昆陽里タイガースに入団。当時を知る執行(しぎょう)正昭理事長(64)は「坂本はやんちゃで天才肌。田中はマイペースで努力型だった」と振り返る。勝ち気でトップにならないと気が済まない坂本は、もともと左投げで足が速かったこともあり、小4でスイッチヒッターに転向した。

 球場の60メートル先にある校舎に打球をぶつける競争をすれば、田中は4階まで飛ばした。坂本は2階が精いっぱい。飛距離で負けるのが悔しかったのか、6年生になった坂本は山崎三孝監督(当時)に「右(打者)一本でやらせてほしい」と直訴した。

夏恒例の「毎日3キロ走」は、途中でバテてしまう田中とは対照的に完走を続けた。「教えたらすぐに何もかもできた。球も速かった」素質を見抜いた山崎さんは、坂本を小6で正式に遊撃から投手にコンバート。田中への高いライバル心が成長を後押しした。

 小学校の卒業文集には「プロに入って、新人王を取りたい」と書いた。昨年、新人王を獲得した田中に先を越されたが、2年目の坂本にも資格は残されている。少年の日のような負けん気で、今季、夢をかなえてみせる。(水井基博)

 ◆坂本VS田中 坂本は光星学院(青森)時代、田中の駒大苫小牧(北海道)と練習試合で2度対戦した。宝刀のスライダーに苦しんだ記憶が鮮明に残り、「4打数0安打の惨敗です。四球が1個あったかな」と悔しそうに振り返る。

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