【掛布論】阪神・大山悠輔と巨人・岡本和真のキング争いは“逃げ”有利

本塁打を争う岡本と大山(右)
本塁打を争う岡本と大山(右)
現役時代の掛布雅之氏
現役時代の掛布雅之氏
セ・リーグ本塁打上位(17日現在)
セ・リーグ本塁打上位(17日現在)

 キング争いは逃げる方が有利だ。割り算の首位打者争いは別だが、足し算の本塁打は、数字が減らない心理的な安心感がある。巨人と阪神は両チームとも残り20試合で、26本の大山が岡本を1本リード。数字以外を考慮しても、僅差で大山が本命で、対抗が岡本だ。

 大山は甲子園の秋風も有利な材料となる。右方向に強烈なアゲンストの夏までの浜風とは違い、今はレフトからライトに緩やかに吹く風で、全方向にフォローとなる。私も現役時代、秋の甲子園は小さく感じた。大山も右方向の打球がスタンドに届くようになる。打率が2割9分7厘と上昇し、3割の大台が見えてきたことも追い風だ。丁寧に打つ意識が高まれば、なおさら逆方向への一発が増える。

 打球の角度は一般的に流し打つ方がつきやすい。引っ張り一辺倒で強引にホームランを狙っても、ドロー回転の打球は上がりにくい。その意味では打点争いトップの岡本も得点圏に走者を置いてのセンター返しの意識が、逆に本塁打を増やすことにつながる。2冠王となれば巨人では松井秀喜以来で、しかもリーグ優勝の4番となれば、相当な箔(はく)がつく。

 ただ2人に共通の弱点は、3連戦で4発のような固め打ちがないこと。1試合2発も大山が2度、岡本は1度だけ。そう考えると、3番に上がって打席数が増える鈴木誠也(23本)、1試合2発が3度と固め打ちできる丸(22本)にも逆転のチャンスは残されている。(阪神レジェンド・テラー、スポーツ報知評論家)

 ◆82年のセ・リーグ本塁打王争い 球宴前の前半戦終了時、掛布(神)23本、次いで原(巨)、山本浩(広)22本の大接戦だったが、その後掛布が本数を伸ばし9月13日に30号一番乗り。ここから原が追い上げて10月5日に33号で並んだ。しかし、10月9日に130試合の全日程が終わった巨人に対し、阪神は4試合を残しており、129試合目、130試合目に1本ずつ打った掛布が2度目の本塁打王に輝いた。巨人と阪神の日本人選手が本塁打数で1位と2位になったのは、この年が最後だ。

  • 現役時代、掛布と本塁打争いをした原

    現役時代、掛布と本塁打争いをした原

本塁打を争う岡本と大山(右)
現役時代の掛布雅之氏
セ・リーグ本塁打上位(17日現在)
現役時代、掛布と本塁打争いをした原
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