【阪神】ドラ2・井上広大、甲子園デビュー打席でプロ初安打…高卒新人野手で球団史上初快挙

8回無死一塁、代打・井上が中越えに適時二塁打を放つ(カメラ・豊田 秀一)
8回無死一塁、代打・井上が中越えに適時二塁打を放つ(カメラ・豊田 秀一)
履正社高時代の井上広大
履正社高時代の井上広大

◆JERAセ・リーグ 阪神5―0ヤクルト(16日・甲子園)

 阪神のドラフト2位・井上が、球団の高卒新人野手では史上初めて、甲子園初打席で初安打を放つ離れ業を成し遂げた。8回に代打で登場し、プロ初安打初打点となる中越え適時二塁打。14日の初昇格から7打席無安打4三振と苦しんだが、履正社高(大阪)時代に大暴れした聖地で申し子ぶりを発揮。未来の4番は初のお立ち台で虎党に自己紹介し、プロでの第一歩を踏み出した。

 無心で駆けだした。二塁に到達した井上は、照れくさそうに右手を上げた。解禁されたばかりの太鼓と電子笛が鳴り響く。「自分の中で忘れられないことだと思います」。4点リードの8回無死一塁。代打で聖地デビューの出番が訪れた。2ストライクからの5球目。久保の投じた132キロの変化球を捉える。プロ初安打初打点となる中越え適時二塁打。高卒新人野手が甲子園初打席で安打を放つのは球団史上初の快挙だ。

 14日の中日戦(ナゴヤD)で初昇格。しかし、7打数無安打4三振と歯が立たなかった。試合後、スマホを見ると母・貴美さんから連絡が入っていた。「打てなくても、次頑張りや」。沈んでいた心がすっきり晴れた。舞台は代わって、甲子園。昨夏に全国を制した聖地の申し子は、家族の支えで躍動した。阪神では高卒新人野手の安打自体が浜中治以来23年ぶり。打点にいたっては74年の掛布雅之以来46年ぶりだった。

 高校3年春のセンバツ後。消極的な姿勢から4番を外された。自宅でふて腐れていると母に言われた。「野球やめたらええやん」。女手一つで育ててくれた優しい貴美さんが、厳しい言葉で目を覚ましてくれた。「(初安打は)お母さんに一番に報告したいと思います」。最高の恩返しになった。

 新人離れしたスイングスピードは“速筋”によって生まれている。高校1年の冬から練習で通常より100グラム以上軽い約750~800グラムのバットを振るようになった。「重たいバットを振っても、重たいバットを振る力がつくだけ。軽いバットで速く振って(感覚を)鍛えました」。阪神入団後はプロの球に対応するため重心を低く改良。「右足の内側で球をつかみにいく感覚」で、超高校級だったスイングを進化させた。

 井上の一打もあり、チームは甲子園での今季勝ち越しを決めた。初めてのお立ち台。井上は高らかに宣言した。「阪神タイガースを日本一に導けるように頑張るので、これからも応援よろしくお願いします」。大きな体には無限の可能性が詰まっている。(中村 晃大)

 ◆井上広大(いのうえ・こうた)プロフィル

 ▼生まれとサイズ 2001年8月12日、大阪・大東市生まれ。19歳。187センチ、97キロ。右投右打。足のサイズは31センチ。

 ▼球歴 大阪・南郷小2年から少年ソフトボールチーム「ANTブルージェイズ」でプレー。南郷中では「東大阪リトルシニア」に所属。履正社高では3年夏の甲子園の決勝で星稜高・奥川(現ヤクルト)から逆転3ランを放ち、同校初優勝。高校通算49発。19年ドラフト2位で阪神入団。

 ▼好物 好きな言葉は「志」。好きな食べ物はカレーライス(苦手な食べ物はナス)。好きなタレントは千鳥の大悟。

 ▼特技&趣味 特技は水泳。小学生の時に習い始め、4泳法をすぐに制覇。スクールの最上位クラスだった。趣味は映画観賞。

 ▼憧れの選手 履正社高の先輩でヤクルトの山田哲人。高校時代の山田哲が甲子園で放った本塁打を見て進学を決意した。目標は巨人の岡本和真のような「ひと振りで流れを変えられる打者」。夢は「ホームラン王」と「60本塁打」。

試合詳細
8回無死一塁、代打・井上が中越えに適時二塁打を放つ(カメラ・豊田 秀一)
履正社高時代の井上広大
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