藤木孝さん死去から1か月、不可欠な名脇役喪失の大きさを思う

藤木孝さん
藤木孝さん

 俳優の藤木孝さん(享年80)が9月20日に自ら旅立ってから、もうすぐ1か月になる。

 残念ながら、インタビューする機会はなかった。訃報に接したとき、真っ先に思い出したのは、テレ朝系「やすらぎの郷」で演じた貝田英信という役の姿。有馬稲子(88)ふんする元シャンソンの女王、及川しのぶを公私に献身的に支えるパートナーを好演していた。

 演劇の取材を続けているが、好き嫌いに関わらず、時には忍耐力で見なければならない作品に遭遇することがある。しかし、そこに藤木さんが出ていれば、そんな憂うつを吹き飛ばしてくれた。神経を張り詰めたような“精緻な芝居”。演者として完ぺき主義者をうかがわせた。心地良く響くセリフ、歌。空間を支配する力に心は満たされ、豊かな気持ちにさせてくれた。

 “やすらぎ”では柔らかな芝居に徹していた。役者はこうも変わることができるか、と芸域の広さに驚かされた。音楽から芸能活動は始まった。しかし紛れもなく名バイプレーヤーだった。もう演じる姿を見ることはできない。不可欠な俳優がいなくなった喪失感の大きさを、改めて思う。(記者コラム)

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