【プチ鹿島の本音】菅首相の説明しない“改革”はただの破壊

菅首相(ロイター)
菅首相(ロイター)

 菅首相が誕生してそろそろ1か月。新しい内閣がつくられると新聞では各界の人に感想を尋ねて「○○内閣」とネーミングを載せます。私は「3密内閣」と答えました(読売、毎日、産経新聞)。「おじさんばかり密集、密接している」「女性や若手の登用が少なくて密閉感もある」という意味で3密です。あと、息をひそめて多くの官僚が菅氏を見つめている雰囲気も「密閉」感がある。

 菅氏と言えば人事です。官房長官時代から、内閣人事局を背景に官僚の人事権を握りました。政治主導を強力にしつつも、官僚の忖度(そんたく)を招いたと指摘されてきました。

 すると今回は学者が注目された。日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅首相が任命しなかったと判明したのです。前代未聞。

 「推薦された方をそのまま任命してきた前例を踏襲して良いのかを考えてきた」と菅首相は5日に語りました。しかし、なぜ6人を任命拒否したのか、肝心の理由は説明していません。7日の国会でもこの問題が取り上げられましたが「政府は『適法』を強調したものの、説明不足との印象は拭えなかった」(読売10月8日)とあります。

 こうなると「あえて説明しない」ことも一つの狙いなのではないだろうか。任命されなかったことで、過去に何か思い当たるフシはなかったかと本人や周囲にも考えさせ、マスコミも原因らしきものを書く。そしていつの間にか学術会議の「問題」になってしまう。こんなことが続くと、権力に気に入られる行動をした方が良いというムードもできるかもしれない。「忖度」は官僚だけでなく学者の世界まで近づいてきた。だんだん一般国民にも近づいてきたのだ。今回の件は決して人ごとではないと考えます。

 そして、説明しない“改革”は、ただの破壊に思えてしまいます。(時事芸人)

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