村上春樹さん、ノーベル文学賞「15度目の正直」ならず…「日本人受賞26年周期」の期待も

またしても受賞を逸した村上春樹さん(2019年6月のイベントより)
またしても受賞を逸した村上春樹さん(2019年6月のイベントより)
村上春樹さんノーベル文学賞「15連敗」の相手と受賞前評価
村上春樹さんノーベル文学賞「15連敗」の相手と受賞前評価

 スウェーデン・アカデミーは8日、2020年のノーベル文学賞を米国の女性詩人ルイーズ・グリュックさん(77)に授与すると発表した。06年から有力候補に挙がり続けている日本の作家・村上春樹さん(71)はまたしても受賞を逸し「15度目の正直」とはならず。今年は1968年の川端康成、94年の大江健三郎さん(85)に次ぐ「日本人受賞26年周期」に該当するアニバーサリーイヤーだったが、歓喜の瞬間は訪れなかった。

 2020年も「ハルキ・ムラカミ」の名前が呼ばれることはなかった。

 06年、多数のノーベル賞作家が受賞したフランツ・カフカ賞に選ばれて以降、村上さんの受賞は国内外で取り沙汰されてきた。英国ブックメーカーなどでは必ず有力候補の一人に挙げられ、今年も「ナイサーオッズ」の最新予想で7倍の3番人気につけていたが、「15度目の正直」とはならなかった。世界中のハルキストたちが胸を高鳴らせた後に失意に沈む展開は、もはや「秋の風物詩」と化している。

 例年、各国のジャーナリストでごった返す発表会場も、今年はソーシャルディスタンスを保つために壇上周辺に柵が設けられ、人もまばらだった。

 データ上の吉兆はあった。「雪国」などの作品で知られる文豪・川端康成が日本人初のノーベル文学賞作家となったのは1968年。「飼育」などの著作が有名な大江健三郎さんが日本人2人目の栄冠に輝いたのは94年。再び26年後を迎えた今年は「日本人受賞26年周期」該当年として一部で期待感が高まっていた。

 ノーベル文学賞は同一国家や大陸、言語などで連続受賞とならない傾向がある。アジア圏では2012年の中国の莫言氏以来8年にわたって受賞者が出ておらず、欧米に集中してきたが、17年に英国の日系人作家カズオ・イシグロさんが受賞したことが選考に何らかの影響を与えた可能性もある。

 今年の村上さんは5月にコロナ禍の人々を励ますためのラジオ番組を自ら発案。自宅でのリモート収録で愛聴盤を愛用のオーディオでかけ、リスナーの質問にも応じた。7月には6年ぶりの短編集「一人称単数」を発表した。

 候補として名前が挙がり毎年騒ぎになることについて、著作の中で「正直なところ、わりに迷惑です」と困惑気味。「だって正式な最終候補になっているわけじゃなくて、ただ民間のブックメーカーが賭け率を決めているだけですからね。競馬じゃあるまいし」と否定的な見解を示し「脳減る賞」と断じている。

 ◆ノーベル文学賞 スウェーデンの化学者アルフレド・ノーベルの遺言に基づき1901年に始まったノーベル賞の一部門。スウェーデン・アカデミーが各国の大学教授や過去の受賞者らから推薦を受け付け、5月には最終候補を原則5人に絞る。候補者名は50年間非公開。これまでの受賞者は116人で、米国のヘミングウェーやフランスのカミュらが名前を連ねる。2018年は選考主体の性スキャンダルで発表が見送られ、19年に2年分が発表された。

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