五輪経費削減やっとの300億円…それでも今夏予定していた1兆3500億円の2%

東京五輪の開閉会式などが行われる国立競技場
東京五輪の開閉会式などが行われる国立競技場

 東京五輪組織委は7日、新型コロナの影響で1年延期された東京五輪の簡素化による経費削減額が、現時点で約300億円と公表した。この日、国際オリンピック委員会(I組織委報告OC)の理事会にも報告した。組織委は4分野52項目からなる簡素化案に基づき、コストを概算。3000億円以上ともいわれる延期による追加費用の詳細は年末にも判明するが、節約効果は極めて限定されたものにとどまった。

 コストカットは約300億円にとどまった。この日、五輪組織委はIOC理事会に簡素化による財政的効果を報告した。最大の節約項目は「会場の仮設設備関連」で、運営スペースやチケット売り場などの削減で約150億円。次いで「組織委スタッフの要員計画の最適化」で、年内の追加採用を取りやめ、オフィスの規模も縮小するなどして、約30億円を削り出した。

 組織委とIOCは9月25日に「ヒト」「モノ」「盛り上げ」「収入その他」の4分野、52項目にわたる簡素化の具体案に合意。その後、早急に費用の精査に努めてきた。その他の項目では競技会場、選手村の大型バナーなどの削減で約10億円。約5万人が見込まれる各国オリンピック委員会(NOC)などの来日する大会関係者を10~15%減らし、飲食や輸送といった関連経費を約10億円抑制したという。

 ただ、今年五輪が行われた場合、大会経費は約1兆3500億円だった。300億円は、その2%程度にすぎない。3000~6000億円といわれる追加経費と比較しても、節約額は限定的だ。「金額の受け止めはそれぞれ。これまでも相当(コストカットの)努力はし、ギリギリまで切り詰めてきた。今回は前例を取り外して深掘りしたが、もう1年、半年前の延期ならもっと削減できた」と組織委の伊藤学司チーフ・ファイナンシャル・オフィサー(CFO)は説明した。

 コロナ対策関連の費用もまだ全容が見えておらず、年末にも公表される追加費用は膨張が予想される。ある組織委関係者は「節約効果の大きい開閉会式に手をつけられないのでは厳しい」と、放映権をタテに、IOCが式典の縮小に同意しなかった点を改めて指摘する。「1円でも削減できるように努力したい」と伊藤CFOは話したが、平坦な道ではなさそうだ。(太田 倫)

 ◆東京五輪開催の費用変遷 五輪招致の時点では約7340億円で試算。招致決定後に国立競技場の建設費が当初の1300億円から3500億円以上に膨れ上がり、15年に同競技場のデザイン変更を決定した。また、テロ対策などの警備費や建設費の高騰で総額3兆円以上の負担がかかる可能性が出たことから、16~17年にかけてIOCとの協議で見直し、競技会場を既存施設に替えるなどして費用を削減。19年末の時点では1兆3500億円程度とした。今年3月、開催の1年延期を決めたことで追加経費は最低でも3000億円程度とされている。

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