【五輪の恵】競泳・池江の泳ぎとフィギュア・三原の滑り、共通するのは「好き」の強さ

10月2日、インカレに出場し笑顔を見せる池江璃花子
10月2日、インカレに出場し笑顔を見せる池江璃花子

 この数日間、少しやる気になっている。2人の女性アスリートの頑張りと強さに触れたからだろうか。

 競泳の池江璃花子がインカレの50メートル自由形を泳いだ。白血病からの復帰戦から1か月で0秒70も短縮した。「4番という結果はすごく正直悔しいんですけど、今の段階としては上出来」。試合後のコメントで最も印象に残ったフレーズだった。

 エントリーランキングは17位だった。4位という順位は上出来と言える結果。しかし池江の中では「悔しい」という思いが先に立った。池江が泳いでいる。それだけで尊い。そうかみ締めながらも、池江はやはり根っからのアスリートなのだという思いを強くした。

 16年リオデジャネイロ五輪前に池江を知る人々に話を聞いて回った。「とにかく負けず嫌い」。一人漏らさず、すべての人が口にした。気持ちの根っこの部分がとても強い。「今は全力で水泳を楽しんで、全力で日々の練習を頑張る」。いつだって前だけを向く姿勢は、病気前も今も変わらない。

 フィギュアスケートの三原舞依は近畿選手権で19年3月以来の競技会復帰を果たし、3位に入った。昨季は体調不良により全試合を欠場した。「スケートが大好きって思いは変わらなかった。氷の上に少しでも早く立てるようにということだけを考えて毎日過ごしていた」という。ジャンプは取り戻している最中だが、何より楽しそうに滑る姿に心を打たれた。「レベルアップしていかないと他の選手と戦うことができない。一つ一つを大切に。毎日を大事に過ごしたい」。やはり三原も前を向いていた。

 池江の泳ぎに、三原の滑りに力をもらった1週間だった。大好きな事に全力を尽くせることの喜びを、2人のアスリートは知っている。「好き」という気持ちは何にも勝る。

 ◆高木 恵(たかぎ・めぐみ)北海道・士別市出身。1998年報知新聞社入社。整理部、ゴルフ担当を経て、2015年から五輪競技を担当。16年リオ五輪、18年平昌五輪を取材。

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