10歳まで故障なく飛越し続けたルペールノエル 乗馬として輝く未来が待っている

17年の中山大障害で高田騎手とのコンビで2年連続3着だったルペールノエル
17年の中山大障害で高田騎手とのコンビで2年連続3着だったルペールノエル
17年の中山大障害で飛越するルペールノエル
17年の中山大障害で飛越するルペールノエル

 関西馬で最年長10歳のルペールノエル(牡、父アドマイヤムーン、母サンタママ)が9月30日付で競走馬登録を抹消された。2010年生まれで、同期には種牡馬として存在感を示しているキズナ、エピファネイア。平地競走では未勝利だったが、障害に転向後は中山大障害で3着2回など長く活躍。9月19日の阪神ジャンプSが現役最後のレースで障害30戦、平地6戦の合計36戦を戦い抜き、1億7000万円以上の賞金を稼いだ。

 障害への才能を見抜いたのは藤原英昭調教師だった。未勝利を勝つことができなかったが、4歳春に障害入り。「体が柔らかくて障害飛越をさせると天下一品だった。ケガなく頑張り続けることができたのは、飛越がとても優れているから。この後は(愛知県)イクタトレーニングファームで乗馬になるけど、第二の馬生で全日本クラスの馬になってほしい。また、イクタまで乗りに行く。それぐらいの馬」と熱い絆が途切れることはない。馬術で馬に乗る基礎を学び、馬術を取り入れたトレーニングで一線級で活躍するトレーナーにとって、特に思い入れの強い一頭となった。

 主戦として25回騎乗したのは高田潤騎手で、特に記憶に残るのは2016、17年と2度の中山大障害。いずれも3着で、1着オジュウチョウサン、2着アップトゥデイトの高い壁がありながらも、馬券圏内に食い込んだ。高田騎手は「怪物みたいな馬たちを相手に、本当によく頑張りました。重賞タイトルを取らせてあげることができなくて、申し訳ありません。でも、記憶に残る馬だったと思います」とねぎらっていた。

 高田騎手は14年の暮れから5年以上もコンビを組み続け、「飛越が上手で、体が柔らかくてバネがある。操縦性が高い。いつもこういう飛越をする馬をつくりたいと思って、障害ジョッキーをやってきました。サラブレッドの完成形、お手本のような馬で、障害騎手の間では『ルペール先生』と呼ばれていました。本当にいろんなことを勉強させてもらいました」と振り返る。10歳まで障害馬として進化を続けたが、また人を育てた馬でもあった。

 デビュー前から藤原英厩舎で修業を積み、1年目に37勝、2年目の今年が56勝と着実にステップアップしている岩田望来騎手も、ルペールに育てられた1人。岩田望騎手は「デビュー前から何度も乗って、基本を1から10まで教わりました。とにかくパワーがある馬でした。最初の頃は馬の押さえ方が分からなかったけど、ルペールのけいこで覚えることができ、今の馬乗りに役立っています。長い間、お疲れさまでした」と別れを寂しく感じていた。

 これからは馬術の世界で戦っていく。ルペールの受け入れ先となったイクタトレーニングファームの生田将功(まさのり)社長は「競走馬で10歳は大ベテランですけど、乗馬としては若い。今まで故障がなく、脚元に不安がないのは何よりです。馬の年齢も30年前と比べて長くなっています。乗馬のピークは12、13歳ですし、これから細かい技術を教え込んで息の長い活躍をしてくれそうです」と大きな期待を寄せていた。

 乗り手の指示に従順で、美しい飛越。馬術の世界で大輪の花を咲かせることを願いたい。高田騎手は「馬術の世界は中間種が活躍しているけど、サラブレッド代表として上に入っていってほしい」とエール。第二の馬生に多くの幸があることを願いたい。(中央競馬担当・内尾 篤嗣)

17年の中山大障害で高田騎手とのコンビで2年連続3着だったルペールノエル
17年の中山大障害で飛越するルペールノエル
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