瀬古利彦らの名門SB食品の“DNA”を受け継いだDeNAが廃止

瀬古利彦エグゼクティブアドバイザー
瀬古利彦エグゼクティブアドバイザー

 陸上の横浜DeNAランニングクラブ(DeNA)が5日、今年度を最後に現クラブを廃止することを発表した。来年度以降は、国際大会を目指す選手をサポートする新体制をたちあげる。国近友昭監督(47)らトップチームの現場スタッフは退任する。

 育成組織のアカデミーは存続する。瀬古利彦エグゼクティブアドバイザー(64)=日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー=はクラブに残り、アカデミーをはじめとしたスポーツ事業に携わる。

 DeNAはエスビー食品陸上部のスタッフと選手を受け入れる形で、2013年にスタートを切った。

 DeNAの前身にあたるエスビー食品はマラソン15戦10勝を誇る瀬古利彦(現日本陸連長距離・マラソン強化戦略プロジェクトリーダー)をはじめ、1980年モスクワ五輪、84年ロス五輪、88年ソウル五輪と3大会連続で日本代表となった新宅雅也ら多くの名ランナーを擁し、マラソンと駅伝で日本トップクラスの強豪だった。全日本実業団駅伝では84年から4連覇を達成した。しかし、経営悪化などの理由で2012年9月に13年3月末での廃部を発表。その受け皿となったのがDeNAで、世界大会の代表選手の育成と2016年全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)での優勝を目標に掲げ、発足した。

 翌14年のニューイヤー駅伝に早くも初参戦し、16年には5位と躍進した。しかし、その後、チーム方針が転換され、2018年10月には駅伝からの撤退を発表した。チームの活動規模も徐々に縮小されていった。

 今季は、今年を含め日本選手権1500メートル優勝3回で箱根駅伝6区区間記録保持者の館沢亨次(23)を筆頭に鬼塚翔太(23)、松尾淳之介(23)と東海大から3人の有力ルーキーが加入したが、館沢はコーチングとマネジメントに関して800メートル元日本記録保持者の横田真人氏が代表を務めるTWOLAPSと業務委託契約を締結。鬼塚は男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(29)=ナイキ=らを指導するピート・ジュリアン氏とコーチング契約を結び、いずれもDeNA指導陣とは一線を画して競技活動を行っている。

 ベテラン勢は相次いでチームを離脱。高木登志夫(27)が20日付けで退団し、サンベルクスに移籍した。永井秀篤(27)は東日本実業団連盟の所属選手として全日本実業団選手権(18~20日)に出場していた。また、ケニア出身のデービッド・グレ(22)も4月に退団し、GMOインターネットグループに移籍した。

 複数の実業団チーム関係者は「DeNA側から選手の受け入れについて打診を受けたことがある」と明かしていた。名門エスビー食品の“DNA”を受け継いだDeNAが日本陸上界の表舞台から静かに去ることになった。

 DeNAが5日に発表したリリースは以下の通り。

 横浜DeNAランニングクラブは、2013年度に立ち上げました現クラブを2020年度末に廃止します。

 そして2021年度以降は、世界選手権などの国際大会等での活躍を目指す選手に対しそれぞれの競技活動をDeNAがサポートする新たな体制を立ち上げます。

 今回のランニング事業の新体制立ち上げは、コロナ禍の影響で弊社スポーツ事業が厳しい状況にある中で、今後もDeNAとして中長期的にランニング競技のサポートを続けるためのものです。

 現所属選手に対しましては改めて個々に新体制でのオファーを行っており、各選手の次年度以降の活動は選手各人の意向を尊重したうえ、決定いたしましたら逐次お知らせいたします。

 また、国近監督以下クラブのスタッフは現クラブの廃止に伴い退任となります。クラブの発展に対するこれまでの貢献に深く感謝しております。

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