◆フィギュアスケート ▽ジャパン・オープン(3日、さいたまスーパーアリーナ)
新型コロナ禍以降、国内初の有観客大会で開催され、中止になった3月の世界選手権女子代表・樋口新葉(19)=明大=が、公式戦で自身初となるトリプルアクセル(3回転半)を着氷させた。
フリー演技のみで争う今大会。最終滑走者となった樋口は、前日練習で予告した通り、冒頭で助走をつけて勢い良くジャンプ。ステップアウト、オーバーターンとなったが、転倒せずこらえきった。GOE(出来映え点)で減点はあったものの転倒した2月の四大陸選手権以来、2度目の公式戦での挑戦で降りきった。樋口は「今日、跳ぶと決めたアクセルを片足で降りたのはすごく自信につながる。こんな大きな会場で降りられたのは次につながる」と喜んだ。
有観客での今季初戦については「久しぶりの大会でこんなに大きな会場でたくさんのお客さんが見てくれて、緊張したし、いい演技はまだまだだけど、アクセルを降りられたのは次につながる。みんな本当に頑張ってみんなの力を合わせて優勝できたので全員、また次のステップにつながるように頑張りたいなって思います。みんな久しぶりの大会で緊張したけど声援のお陰で力を出すことができた」と語った。
次戦はGPシリーズ第6戦NHK杯(11月27~29日に大阪・東和薬品ラクタブドーム)を予定。国際大会でトリプルアクセル成功が認定されれば、女子史上11人目、日本女子では伊藤みどり(89年世界選手権で女子初)、中野友加里(02年GPスケートアメリカ)、浅田真央(05年世界ジュニア選手権)、紀平梨花(16年ジュニアGPシリーズ)以来、5人目となる。樋口は「課題はオーバーターン。浮き過ぎずにタイミングだけで跳ぶ感じで、しっかりと止めて降りられたらいい。しっかり極めて持っていけるようにしたい」と意気込んだ。
例年、この大会は日本、北米、欧州の3地域での対抗戦を行っていたが、今年は新型コロナの影響で日本選手だけで混成したチームブルー、チームレッドの2チーム(各男子2、女子3)で団体戦を実施。順位は各選手のフリー演技の合計点で決め、樋口のチームブルーが優勝した。
以下は参加選手とフリー演技得点。
【チームブルー】=597・63点
〈1〉山本草太(20)=中京大=137・97点
〈2〉佐藤洸彬(24)=南部美人=119・52点
〈3〉樋口新葉(19)=明大=123・01点
〈4〉横井ゆは菜(20)=中京大=109・57点
〈5〉吉田陽菜(15)=木下アカデミー=107・56点
【チームレッド】=593・63点
〈1〉本田ルーカス剛史(18)=木下アカデミー=137・99点
〈2〉日野龍樹(25)=中京大=120・37点
〈3〉川畑和愛(18)=早大=112・63点
〈4〉山下真瑚(17)=中京大中京高=126・94点
〈5〉浦松千聖(18)=中京大中京高=95・70点