◆陸上 日本選手権・第2日(2日、新潟・デンカビッグスワンスタジアム)
男子1500メートル決勝が行われ、17、18年大会王者の館沢亨次(DeNA)が3分41秒32で2年ぶり3度目の優勝を果たした。2位は的野遼大(三菱重工)で3分41秒82、3位は楠康成(阿見AC)で3分41秒89だった。
レースはスタートから館沢が引っ張る展開。的野や予選で全体トップのタイムをマークした舟津彰馬(九電工)らが後方に待機してスパートのタイミングをうかがう中、自ら流れを作ることでレースを支配。誰にも先頭を譲らずに最後まで走り切り、絶対的な強さを見せた。
2年ぶり3度目の優勝を果たした館沢は「タイムは今ひとつでも勝負のレースとしては良かった」と安堵(あんど)の表情。ペースとしては1周ごとに57秒、59秒、59秒と刻んでスパートし3分40秒切りを目指していたという。目標には届かなかったが「今までは周りが作ったペースに乗って、その後どうなるか、他人に合わせていた。今回は自分で作ると決めていたのでやることはクリアだった」と貫禄の勝利を振り返った。
今季は7月の東京選手権あたりから復調。「自信を取り戻すまで見守ってくれた」と指導する男子800メートル前日本記録保持者の横田真人氏(TWOLAPS)に感謝。勝負に徹してスパートまで後方待機する作戦もあったが、「横田コーチから『世界と戦うのであればそれではダメ。失敗してもいいから思い切って行こう』と言われて、自分も『よし行こう』と思った。本当に横田コーチのおかげ」。師弟の思いが重なり、日本一への道を作った。
先頭のラップタイムは以下の通り(手元)。
▽400メートル=58秒3
▽800メートル=1分59秒3(61秒0)
▽1000メートル=2分30秒5
▽1200メートル=3分0秒8(61秒5)
▽1500メートル=3分41秒4(40秒6、館沢)