【スプリンターズS 今週の仕事人】星野薫助手、父・忍調教師のためにキングハートでG1取る

スポーツ報知
キングハートを担当する星野助手。引退間近の父にG1タイトルをささげるか

◆第54回スプリンターズS・G1(10月4日・芝1200メートル、中山競馬場)

 かつて大空を進む飛行機を操る夢を追った男が、ターフを駆ける馬の上で手綱を執り、夢を追っている。スプリンターズSが46戦目となる7歳牡馬キングハートを管理する星野忍調教師(69)の息子で同厩舎に所属する星野薫助手(45)だ。

 父は騎手時代に障害254勝を挙げた名手。「たまに父についていって、トレセンのスタンドにいったり、競馬場でレースを見ていたりしました」。それでも父と同じジョッキーや、馬に携わる仕事は一切考えていなかった。小さな頃から海外を旅行する度に飛行機に心を奪われ、「大学を出て飛行機の世界で本当に就職するつもりでいた」と大学在学中に米国留学し、操縦士免許を取得した。

 転機となったのは27歳のとき。当時は日本で操縦士になるのは現在よりもさらに狭き門だった。夢を追いながら千葉県芝山町にある航空科学博物館でアルバイトをしていた。一方、周囲の「父の仕事を継がなくていいのか?」という声にも悩んだ。競馬学校の厩務員課程の受験資格が28歳未満ということもあり、一念発起して突如馬の世界に飛び込んだ。

 「周囲の人間は馬術をやっていたり、(テレビゲームの)ダビスタ(ダービースタリオン)をやっていたり、もともと競馬に興味がある人ばかり。でも、僕は馬券も買ったこともないし、馬に興味もなかった」。高校時代は飛び込みで高校総体、国体にも出場したスポーツマン。「そうした経験もあって、馬乗りのバランス感覚も身につけられた」と振り返る。

 現在は父の厩舎に移籍して15年目。秋風が吹き始めた今でも半袖で馬にまたがるのがトレードマークだ。「馬はすごく繊細。馬が何を求めるのか、どうしたいのか、どうしたらどう動いてくれるのかを理解してあげられないと馬を手の内にはなかなか入れられないですね」。父の定年まであと1年を切った。悲願のG1制覇を目指してキングハートを送り出す。(恩田 諭)

 ◆星野 薫(ほしの・かおる)1975年7月12日、東京都府中市生まれ。45歳。27歳で競馬の世界に飛び込み、富田一幸厩舎を経て06年に父・忍調教師の星野厩舎へ移籍。趣味はキャンプ、アウトドア、旅行、スキー、ガーデニング。家族は妻と2女。

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