正代、大関ばい! 熊本出身初優勝で男泣き…前夜は緊張睡眠2時間、翔猿の猛攻に耐えた

初優勝を果たし、賜杯を手に笑顔の正代(代表撮影)
初優勝を果たし、賜杯を手に笑顔の正代(代表撮影)
正代(右)が突き落としで翔猿を下し、優勝を決めた
正代(右)が突き落としで翔猿を下し、優勝を決めた
最近大関に昇進した5力士と正代の直近3場所
最近大関に昇進した5力士と正代の直近3場所
出身地別の幕内優勝回数
出身地別の幕内優勝回数

◆大相撲秋場所千秋楽 〇正代(突き落とし)翔猿●(27日・両国国技館)

 関脇・正代(28)=時津風=が悲願の初優勝を果たした。1差で追っていた新入幕・翔猿(とびざる、28)=追手風=を逆転の突き落としで退けて、花道ではうれし泣き。13勝2敗の好成績を受け、日本相撲協会の審判部は八角理事長(元横綱・北勝海)に大関昇進を諮る臨時理事会(30日)の開催を要請し、了承された。熊本県出身力士として初めて賜杯を抱き、“新大関当確”とダブルの歓喜となった。

 花道の奥で、思いがあふれ出た。正代の視界が涙でぼやける。「付け人の目が潤んでるのを見た時にちょっと。井筒親方(元関脇・豊ノ島)も後ろにいて、涙が止まらなかった」。初めて抱いた賜杯。「重かったです」と今度は笑みがこぼれた。

 勝てば初優勝の翔猿戦。立ち合いから低く攻められ俵を背負った。こらえて前進するともろ差しを許し、再びの土俵際で起死回生の突き落としを決めた。王手をかけた前夜は緊張で「生きている心地がしなかった」。気づけば朝5時。2015年秋場所の新十両会見で「誰とも当たりたくない」と発言し、色紙に「現状維持」と書いたこともある、かつての“ネガティブ思考”に戻りかけて、眠れなかった。約2時間の睡眠で迎えた勝負は「無我夢中で、何とかしようと」。決着後は2度3度、4度とうなずいた。

 八角理事長は昇進を諮る理事会の開催要請を受諾。新大関の誕生が事実上、決まった。今場所は、貴景勝と朝乃山の両大関を圧巻の内容で連破。理事長も「正代のこの場所は素晴らしい。この1年はいい相撲を取っていた」と太鼓判を押した。

 日本相撲協会の北の湖前理事長(元横綱)は生前、新十両の正代を見て「大関の才能がある。体の柔らかさ、スケール感がある」と素質を見抜いていた。当時、伝え聞いた正代は「リップサービスですよ」と謙遜していたが、ついに大横綱も認めた才能が開花した。

 熊本出身力士として初優勝。16年に地震、今年は豪雨が故郷を襲った。地元に届けた、吉報と勇気。「たくさんの方に応援していただいている。少しでも恩返しではないけど、楽しんでいただけるような相撲が取れたんじゃないかな」と、感謝の気持ちを相撲で見せた。

 今場所は優勝、昇進に加え、初の殊勲賞と6度目の敢闘賞も受賞した。優勝パレードはなかったが、取組後は部屋に殺到したファンに、2階から手を振り祝福に応えた。「自分の持ち味を生かして、色んな方に応援していただけるような力士になりたい」。穏やかな口調に、人柄がにじむ。令和の相撲界に、また新たな看板力士が誕生した。(大谷 翔太)

秋場所星取表
初優勝を果たし、賜杯を手に笑顔の正代(代表撮影)
正代(右)が突き落としで翔猿を下し、優勝を決めた
最近大関に昇進した5力士と正代の直近3場所
出身地別の幕内優勝回数
すべての写真を見る 4枚

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 バックナンバー申し込み 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請