陸上5000メートルの日本高校記録(13分36秒89)を持つ石田洸介(18)=群馬・東農大二高=が27日、神奈川・秦野市のカルチャーパーク陸上競技場で行われた東海大長距離競技会男子5000メートルに出場し、13分34秒74(速報値)と再び自身が持つ記録を更新した。マラソンと5000メートルの日本記録保持者の大迫傑(29)=ナイキ=に食らいつき、残り1周で先頭に立つ積極果敢なレースを展開。ラスト勝負で、5000メートル日本歴代2位の鎧坂哲哉(30)=旭化成=、大迫に敗れ、3着だったが、改めて抜群の能力を証明した。
レース後、東農大二高の城戸口直樹監督はスポーツ報知の電話取材に応じ、レース展開などについて説明した。「夏に大迫選手の合宿に参加させてもらったこともあり、大迫選手に気後れすることなく、走ってくれた。どんなレースパターンにも対応できるように準備ができていました。3000メートルを8分12秒で通過した後、もう一度、高校記録を狙うとスイッチが入りましたね」と話した。
レース後、石田は城戸口監督に「気負いなく走れて楽しかったです」と報告したという。
石田は7月18日に行われたホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会5000メートルで13分36秒89の日本高校新記録で走破。佐藤秀和(宮城・仙台育英)が04年にマークした従来の日本高校記録(13分39秒87)を16年ぶりに約3秒更新した。その際に着用していたのは、ナイキの厚底シューズの「エアズームアルファフライネクスト%」。その直後の7月28日に世界陸連がトラックの800メートル以上の種目では靴底2・5センチ以下のシューズだけ認めると決定。この日、石田は薄底のスパイクシューズを着用し、自らの記録を2秒以上更新した。
「7月の高校記録は厚底シューズだから、という声も聞こえてきて、石田には反骨心があった。きょうはスパイクでも好記録を出したい、という思いが強かった」と城戸口監督は教え子の思いを明かした。
福岡・浅川中時代には1500メートル(3分49秒72)、3000メートル(8分17秒84)、5000メートル(14分32秒44)の3種目で日本中学最高記録をマーク。2018年の全国都道府県対抗男子駅伝では中学生区間の2区(3キロ)で8分14秒の区間新記録で15人をごぼう抜きした。
2024年パリ五輪トラック長距離種目では日本の期待の星と目されている。