「何も怖くない」― 日本ハム・上原健太の好調を支える変化

24日の西武戦で今季初勝利を挙げた日本ハム・上原健太
24日の西武戦で今季初勝利を挙げた日本ハム・上原健太

 「最近は無性に豚骨ラーメンが食べたいっていう日が続いていますね」

 今月23日。翌日の西武戦(メットライフ)での先発を控えた日本ハム・上原健太投手(26)は、電話による報道陣の質問に、そう答えて笑っていた。明るい声が、今季の好調を物語っているようだった。一夜明けた先発当日、7回5安打2失点(自責1)、9奪三振の好投。今季4度目の先発登板で初勝利をつかんだ。

 上原を取材していると、素直なコメントがよく印象に残る。冒頭の「豚骨ラーメン」のほか、初勝利後のお立ち台で今季最多20安打12得点の援護に対して「もうちょっと早く欲しかったですね」と笑いを誘ったコメントも。その言葉には、本音を隠せない、性格の良さが表れているように感じる。

 取材時、こちらの質問に最大限答えてくれようとしてくれる姿にも頭が下がる思いだ。そんな性格の持ち主だから、苦しんだ部分があるのかもしれない。15年ドラフトで明大からドラフト1位で入団。身長190センチの恵まれた体格から左腕で最速150キロを越える直球を持ち、走っては50メートル5秒7の快足。抜群の身体能力を持ちながら、昨季までの4年間で6勝と思うような結果を残せずにいた。

 大きな期待に応えたい―。その一心で試行錯誤を重ねた。結果を残すためには当然のプロセスが、マイナス方向に働いた部分もあったという。「今まで、いろいろな結果だったり、その日によってどういう風にやっていこうかなって、いろいろ考えながらマウンドに上がることが多くて。試合中なのに、それ以外のことで頭がいっぱいになることが多かった」。目の前の打者との対戦に集中しきれず、一級品の素質を持ちながら勝ちきれずに来た。

 しかし、今季は違う。左腕の中で精神面での変化が起こっている。

 「何も怖くないって感じです。何も怖くないというのは、失うものが特にないので、とにかくぶつかっていける。変な話、結果も気にしていないし、とにかくやらなきゃ結果にはつながらない。そこ(結果)を気にするよりも、今やることをしっかりやればいい」

 勝敗などの結果は、自分自身でコントロールできない部分でもある。だから先を見るのではなく、目の前の打者に集中する―。精神的に割り切ってマウンドに立つと、今までとは違う感覚があった。「とにかく次に投げるボールのことをずっと考えている。そういう意味では、結構落ち着いて打者を見られたり、いいふうに考えられてるのかな」。今季、4戦で24回1/3を投げて自責点はわずかに3、防御率1.11。変化は確実に結果になって表れている。

 シーズンは残り37試合。順当にいけば、今季は残り5回前後の先発機会が見込まれる。「一人一人、僕は全力で投げていくだけなので」。迷いを胸にマウンドに立っていた、かつての自分はもういない。(日本ハム担当・小島 和之)

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