全世界から入国緩和 来月初めにも1日1000人程度…経済活動再開重視 菅首相の姿勢反映

 菅義偉首相(71)の就任から1週間が経過した23日、政府は新型コロナウイルス感染拡大に伴う水際対策について、全世界を対象とした入国緩和の方針を固めた。10月初めにも、観光客を除く3か月以上の中長期の滞在者らを巡り入国を全面的に解禁する。

 経済活動再開を重視する菅首相の姿勢を反映した形で、来夏の東京五輪・パラリンピック開催に向けた地ならしの意味合いもあるが、緩和で感染拡大を招きかねないとの懸念は根強い。

 入国枠は1日1000人程度とする方針で、入国外国人に対してはPCR検査の実施やホテルなどでの入国後14日間の待機を求めることになりそうだ。

 現在の感染状況は「下火となっている」(官邸筋)との認識を踏まえ、政府は19日にイベントの入場制限を緩和。10月1日から観光支援事業「Go To トラベル」の対象に東京都を追加する。入国緩和はこれらと併せて経済を回復軌道に乗せる一助にする狙い。加藤勝信官房長官は「国際的な往来の再開は大変重要だ」と表明した。

 10月初めにもスタートさせる緩和策では国費・私費を問わず留学生の受け入れも全面的に解禁。医療、文化芸術、スポーツの分野で来日を希望する中長期滞在者に対象を広げる。

 経済界では「少しでも国境が開いてくれればプラスだ」と歓迎の声が上がる一方、秋以降は新型コロナとインフルエンザとの同時流行が危惧されていることもあり、専門家からは海外の流行状況を踏まえて慎重に対応すべきだとの否定的な意見も出ている。

 空港での検査拡充などの徹底も急ぐ。厚生労働省によると、空港検疫は1日当たり1300~1800件。9月中にも成田、羽田、関西の3空港で1万件まで拡充を目指す。新千歳、中部、福岡の3空港でも態勢整備を進める。

 ◆政府が講じた「水際対策」の主な経過

 1月31日 中国湖北省に滞在歴のある外国人の入国拒否を決定

 4月1日 米国、英国、中韓など49か国・地域の全土を入国拒否対象に追加。査証(ビザ)も大幅に制限

 5月14日 入国拒否対象にメキシコなどを追加。計100か国・地域に

 6月18日 安倍晋三前首相がビジネス関係者らの出入国制限の一部緩和を表明。ベトナム、タイなど4か国と交渉開始

 7月22日 緩和交渉の対象に中韓を含む12か国・地域を追加

 8月28日 国費留学生の受け入れを公表。在留資格を持つ外国人の再入国を9月1日から全面解禁すると発表。入国拒否対象は計159か国・地域に増加

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