【特別企画】V打で13連敗脱出「ファンがいるから頑張れる」…坂本勇人2000安打への道 あと39本

2017年6月9日、日本ハム戦5回中越え適時二塁打を放った坂本勇人
2017年6月9日、日本ハム戦5回中越え適時二塁打を放った坂本勇人

 巨人の坂本勇人内野手(31)の通算2000安打達成が期待される今季。スポーツ報知では「坂本勇人2000安打への道」と題して、これまでの勇人の活躍を、当時の記事で振り返る。

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 由伸巨人が1点差で逃げ切って、長い長い連敗を13でストップした。2回、石川が昨季までの同僚・高梨から先制タイムリー。同点とされて迎えた5回には、主将・坂本勇が決勝の適時二塁打を放った。先発マイコラスも気迫を見せ、8回5安打1失点10奪三振で約1か月ぶりとなる5勝目。最後はマシソンが3者凡退で締めた。5月24日の阪神戦(甲子園)以来、16日ぶりで交流戦初となる白星。残りは86試合。やり返す時間は十分にある。

◆巨人2-1日本ハム(2017年6月9日・札幌ドーム)[勝]マイコラス11試合5勝敗[敗]高梨13試合3勝5敗〔セーブ〕マシソン24試合1勝1セーブ▼[二]=長野、松本、坂本勇、大田、マギー

 風穴をこじ開けるようだった。坂本勇の豪快なスイングにはじかれた打球は大きな弧を描き、中堅フェンスに直撃した。

 「積極的にいきました。初球をしっかりとらえることができました。真っすぐがいい投手。フォークもケアしながら、真っすぐを待っていました」。

 1―1の5回2死二塁から、高梨のインハイ142キロを力で押し返した。2日のオリックス戦(東京D)以来、6試合ぶりの打点。悪夢を終わらせる決勝打となった。

 8日の西武戦(メットライフ)。アーリーワーク中に監督室に呼ばれ、「2番」への打順変更を告げられた。「走者がいなければ出る、いる時にかえすのは一緒。監督からも『変えなくていい』と言ってもらいました」。だが、結果は2―13の大敗。球団ワースト記録を更新する13連敗となった。

 苦しい戦いが続く間、何度もミーティングを開いて解決策を探った。自身の打撃を少しでも良くするために、西武・秋山らライバルに頭を下げて助言を求めたこともあった。

 勝てない日々はなおも続いたが、決して下は向かなかった。「『キャプテンが下を向いたらチームは終わるぞ』ということは、阿部さんから教わった。苦しいですけど、みんなで明るくやっていきます」。そう自分に言い聞かせ、気持ちを奮い立たせてきた。

 ファンの支えも大きかった。敗戦に次ぐ敗戦でも、スタンドからの声援が途切れることはなかった。

 熱狂的G党でも知られる元SMAPの中居正広からは、チーム宛てに激励メッセージとカツサンドが届いたという。銀座の高級カツサンド店から数十人分を調達したそうで、どうしても勝ってほしい願いが込められていた。

 この日の試合前練習中、バックネットの手前でティー打撃していると、グラウンド見学しているファンの少年が目に入った。スイングを中断して自分から歩み寄り、笑顔でサインペンを走らせた。

 「僕らは、応援してくれるファンがいるから頑張れる。こんな状況なのに本当にありがたいです」。これまで経験したことのない屈辱と苦境だったからこそ、当たり前と思っていたことが身に染みた。

 高橋監督からは「ここ一番では、主力になんとかしてほしいという思いもあるし、苦しい中でもこうして、チームの顔が打ってくれて良かった」とたたえられた。

 「1勝することの難しさを全員が感じたと思う。これで雰囲気も変わると思うし明日引き締めていきたい」と主将。歴史的連敗のダメージは小さくないが、失ったものばかりではないはずだ。(尾形圭亮)

巨人

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