【巨人】原監督、愛ゆえに…直江大輔プロ初勝利まであと2死で非情交代「こっちだって彼に勝利投手になってほしいよ」

5回途中2失点の好投も初勝利を逃した直江(カメラ・橋口 真)
5回途中2失点の好投も初勝利を逃した直江(カメラ・橋口 真)

◆JERAセ・リーグ 巨人10―3広島(21日・東京D)

 巨人が広島に大勝し、今季12球団最多の1万7193人が詰めかけた東京Dを沸かせた。原監督は4点リードの5回1死、連続四死球で一、二塁となったところで、プロ初勝利の権利まであと2人だった先発・直江を降板させる非情采配。打線は松原が2回に同点の2号ソロを放てば、坂本が3安打3打点と19安打10得点の爆発。優勝マジックは1つ減って「31」となった。

  • 巨人5回の守り
  • 巨人5回の守り

 1万7193人が入ったスタンドがざわつき、どよめいた。原監督がチームの勝利に徹した鬼采配を見せた。6―2と4点リードの5回1死一、二塁、2番・田中広。2年目右腕・直江のプロ初白星の権利まであとアウト2つで、左腕・大江への交代を球審に告げた。救援陣がこの回を無失点に抑えて継投は的中した。

 「3番、4番を迎えるわけだしね。(初回に)ホームランを打たれている打者(田中広)も含めてね。4点差はまだまだ。勝利投手になるというのは簡単ではない。一つの勝利を挙げるのがどれだけ難しいか、彼もそれを思って、また精進してマウンドに上がるということで良いと思います」

  • 直江の今季成績
  • 直江の今季成績

 約1か月ぶり、プロ3度目の先発の直江は初回、田中広に先制2ランを浴びた。だが、その後は4回まで力投。ファームで「もっと鬼になれ」と声を出しながら投球するスタイルを伝授された“師匠”の阿部2軍監督がヘッド代行でベンチ入りする中、攻め続けた。

 5回1死から代打・正随に四球、1番・大盛に死球を与え球数はプロ最多85球に達していた。降板直後、ベンチで直江に声をかけた原監督は「初回ちょっと高めに上ずっていた。あれをうまく調整した。だから褒めた。でも、もう少しだなと」と説明。直江は「最後の最後で自分の弱いところが出てしまった。そこが一番悔しいです。悔しい」と涙目で猛省した。

 一見、早くて非情に思える交代も、原監督からすれば当然の判断だった。その裏には「やはり勝利至上主義。全てはチームが勝つため。このチームは巨人軍。個人軍ではない。ジャイアンツが勝つために」という強い信念があるからだ。

  • 5回1死一、二塁で降板した直江(左)を呼び寄せ声をかける原監督
  • 5回1死一、二塁で降板した直江(左)を呼び寄せ声をかける原監督

 2位に10ゲーム差以上つけていることは関係ない。目の前の試合を一戦必勝。勝利への執念を采配で選手に伝えた。それは必ず直江の成長の糧になるはずだ。「勝利を挙げるのは簡単なことではないというのが分かれば、生きている教本という部分で良い経験を彼はしたと思う。こっちだって彼に勝利投手になってほしいよ、それはね」というコメントに、期待感がたっぷり詰まっていた。

 この日から入場者が上限1万9000人に拡大。5000人の時はほとんど使用していなかった外野席も多くの観客が入った。原監督は「ファンあってのプロ野球。今日は待ちに待った日。グラウンド全体が華やかになりますね。待っていた光景でした」と試合後、場内のファンに何度も手を振って感謝。集まったファンに勝利を届け、優勝マジックは「31」となった。(片岡 優帆)

映像提供:GIANTS LIVE STREAM
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5回途中2失点の好投も初勝利を逃した直江(カメラ・橋口 真)
巨人5回の守り
直江の今季成績
5回1死一、二塁で降板した直江(左)を呼び寄せ声をかける原監督
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