【メディカルNOW】新型コロナ、今の感染対策でインフルエンザ流行はない?

オーストラリア・シドニー(ロイター)
オーストラリア・シドニー(ロイター)

 新型コロナが流行する中、この冬にインフルエンザが同時流行することが恐れられている。発熱、咳(せき)、だるさといった症状が共通しているので、検査しないと区別できない。インフルエンザと思って自宅療養したら、新型コロナを家族に感染させる恐れがある。

 しかし、今冬はインフルエンザが流行しないかもしれない。インフルエンザの流行が北半球と半年ずれる南半球のオーストラリアでは例年4月下旬から流行が始まり、7月にピークを迎え、10月に終息する。しかし、今年は4月以降、インフルエンザ感染者がほとんど発生していないのだ。

 オーストラリアで新型コロナの流行が始まったのは今年2月下旬。新型コロナの感染が増えるのと対照的に例年流行するインフルエンザが消えた。同様の傾向はニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチンなど南半球の国々で見られる。

 今年は南半球でインフルエンザが流行しない理由にウイルス同士の干渉説がある。アデノウイルス(ただの風邪)が流行するとインフルエンザの流行が抑えられることが知られている。それが新型コロナの流行で起こっているのかもしれない。新型コロナの感染予防(マスク、手洗い、消毒、社会的距離を保つなど)がインフルエンザの予防に役立っているという説もある。

 今春、日本でも政府が緊急事態宣言を発令した4月7日から3週間後にインフルエンザ患者がゼロになった。流行末期とはいえ珍しいことだ。今シーズンもインフルエンザの報告が始まったが、8月31日~9月13日の患者は全国で4人(昨年同期は5378人)。マスク着用や社会的距離を取るなど「新しい生活様式」でインフルエンザは流行しないかもしれない。(医療ジャーナリスト・田中 皓)

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