ワールドシリーズ同一球場開催は4度目。経験値の面でナ・リーグのチームが有利か

ワールドシリーズが開催されるグローブライフ・フィールド(ロイター)
ワールドシリーズが開催されるグローブライフ・フィールド(ロイター)

 米大リーグ機構が現地9月29日からスタートするポストシーズンの開催日程を発表。出場チームが8球団ずつの計16球団となり、昨年までは1日最大4試合だったのが、今年はワイルドカードゲーム(WG=3試合制)で2日目の30日には最大8試合をやる日程となった。WGは原則、勝率の高いチームの本拠地で開催されるものの、新型コロナウイルス感染拡大対策もあって、本拠チームもホテルでの生活が余儀なくされている、という。

 地区シリーズ(5試合制)からはア・リーグが比較的暖かいカリフォルニア州のサンディエゴとロサンゼルス(ドジャースの本拠ドジャー・スタジアム)、ナ・リーグはともに開閉式屋根を持つ、テキサス州のヒューストンとアーリントンですべて同一球場で開催。ともに各チーム有利不利がないように、別のリーグの本拠地開催となっている。

 

 リーグ優勝決定シリーズ(7試合制)はア・リーグがサンディエゴ、ナ・リーグがアーリントン。ここまでは移動しないこともあって休み無しの日程だ。

 10月21日からのワールドシリーズ(7試合制)は2試合―休み―3試合―休み―2試合と従来通りの日程ながら、テキサス州アーリントンのレンジャーズの本拠地グローブライフ・フィールドで固定開催。ちなみにレンジャーズは18日現在、18勝33敗でポストシーズン進出はほぼ絶望になっている。

 

 さて、1903年にスタートしたワールドシリーズだが同一球場開催は過去3度ある(日本では1981年巨人・日本ハムが後楽園球場で行われた1度だけ)。

 1921年、22年が本拠地を併用していたニューヨークのポロ・グラウンズでジャイアンツとヤンキースが激突。1921年はヤンキースが世紀の本塁打打者ベーブ・ルース加入2年目で初めてリーグ優勝し大舞台に駒を進めた。第5戦にルースが決勝点となるホームインの際に負傷。その試合でヤンキースが3勝2敗としていたが、その後3試合ルースが先発から外れると3連敗でジャイアンツが5勝3敗(この年は9試合制)で制覇。翌年はルースを17打数2安打と抑え込んだジャイアンツが4勝1敗で圧勝。この2年間、本拠地を貸していた“大家”のジャイアンツが連覇した(ヤンキースは翌年からヤンキー・スタジアム建造で本拠地とする)。

 その後は長らくなかったが、太平洋戦争まっただ中で多くの選手が戦地に向かっていた1944年。セントルイスのスポーツマンズ・パークを併用していたカージナルスとブラウンズ(1954年からボルティモアに移転するオリオールズの前身)が対戦した。

 カージナルスはリーグ3連覇で8度目の出場なのに対し、ブラウンズは1ゲーム差で初優勝を飾ったシンデレラチーム。第3戦まで2勝1敗とリードしていたが、こちらも人気、実力で優るカージナルスが3連勝して2年ぶりの世界一となった。

 

 今年の開催球場グローブライフ・フィールドは、今季完成したばかりで公式戦は西地区のチームしかプレーしていない。それでも地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズで戦えるナ・リーグのチームの方が経験値が高くなると思われるだけに、ナ・リーグチーム有利とみるのは言い過ぎだろうか。

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

 

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