綾小路翔インタビュー完全版…オンライン野外フェス「氣志團万博2020~家でYEAH!~」26日開催

フェスに対する熱い思いを語った綾小路翔(カメラ・森田 俊弥)
フェスに対する熱い思いを語った綾小路翔(カメラ・森田 俊弥)

 ロックバンド「氣志團」が主催する野外フェスティバル「氣志團万博2020~家でYEAH!~」が、26日にオンラインで開催される。テーマ曲として、デビュー20周年に発売するアルバム(来年1月27日発売)の先行シングル「No Rain, No Rainbow」(23日配信)も制作した。ハワイのことわざで「雨が降らなきゃ虹はでない」を意味する。“團長”の綾小路翔がインタビューが応じ、コロナ禍で開催するフェス配信、楽曲に込めた思いなどを語った。(畑中 祐司)=紙面未収録インタビューを加えた完全版=

 突き抜けたポジティブ思考は“團長”の真骨頂だ。

 「コロナはなくならない。ヘコんでいいことあるなら、いくらでもヘコむ。顔と年齢とコロナは、自分では何ともならない。後ろ向いても崖っぷち、下を向いてもどん底の今、上向いて前向いて、とにかく突っ走るぞという気持ちでしかない」

 オンラインでの開催を決めたフェスのテーマ曲に、その思いを込めた。

 「『やまない雨はない』って言うけど、今みんな不安なのは『この雨、全然やまねーぞ?』『この夜、本当に明けんの?』って。だから、なかなか気持ちは晴れない。今はザーザー降り。でも、どうにか虹かけられねーかなって」

 コロナ禍によって、全国でフェスを含めたイベントが中止を余儀なくされた。

 「フェスは夏の風物詩ランキングでも5位ぐらいじゃ。たぶん冷やし中華とそうめんの間。風鈴よりは上」

 政府が緊急事態宣言を発令してから、間もなく半年。それでも先は見えない。

 「この先、元通りになるとは思わない。だから、この雨が降ったことに意味を作りたい。コロナ禍があったからこそ、こんな文化が、こんなエンタメが生み出されたんだっていうところを作りたい。その第一歩が『氣志團万博』なのかなと」

 音楽業界を含めたエンタメ界を取り巻く環境は、まだまだ厳しい。

 「我々みたいなものは『不要不急』というところに紐づけられる。少なからず胸は痛みましたけど『衣食住が成り立って初めて…』って言われたときに何も言い返す言葉がなかった。でも、果たして本当にそうなのか。太古の昔だって、それこそ衣食住が満たされただけじゃないと思う。こんなときだからこそ、みんなで歌うことは必要だと思う」

 フェスは毎年、地元の千葉・木更津の野外会場で開催。今年も野外からの配信を模索したが、ライブハウスに決めた。

 「多くのミュージシャンたちは、各地にある小さな劇場のお陰で演奏する喜びを知ったし、そこでみんなに知ってもらえた。僕らがどんな状況になっても、帰る場所はそこ。むしろ今年はライブハウスでやるべきなんじゃないかと」

 逆境だからこそ、とことん前を向く。

 「こんなときだからこそ生まれる新しい文化があって、人類は今日まで生きてきたに違いないと自分の中で思い込んでいます。僕らは音楽しかできない。ありきたりだけど、僕らの音楽で元気だしてほしい。どうにもならないこともあるけど、そのときにうつむくことが全てじゃない。それでも明日頑張ろうと思えるものを作るのが、きっと僕らの仕事だと思う」(紙面より)

 ◆紙面未収録インタビュー

 昨年のフェス開催も逆境はあった。台風15号の影響で千葉・木更津市をはじめ、千葉県内が大規模な停電・断水の被害を受けている中でフェスを開催。結果、1000万円を超える寄付も集めた。

 「今、ミュージシャンはもちろん、マネジメントもレコード会社も音響、照明、ライブハウスだったり、みんなが本当に今、食うや食わざるやという状態に陥っている。今回とにかく目標としているのは、僕たちを育ててくれたものに恩返しできること。1年前も台風を何とか乗り越えられた」

 今は全世界に広がる未曾有の状況。“團長”にとってコロナ禍は、どういう時間だったのか。

 「やったことないテレビゲームとか、ドラマに夢中になったり、映画を見たり、本を買ったはいいけど読んでいなかったのを片っ端から読んだり、ただ家にいてみたり、おままごとのような料理に挑戦したり。ずっとただそんなことをぼんやり。今までは俺はミュージシャンだからって、やること自体、格好悪いと思っていたことをやってみたり。やっとですよ。数か月たってからやっと、自分と対話というか“寺門ジモン(自問)自答”しまして」

 自分と向き合った結果、よみがえってきたのは初心のような感情だ。

 「自分はいつから、こんなに夢を語れなくなったんだろう、と。俺の本当にやりたいこと何だっけ?って。で、頼まれてもないのに自分の意思で曲を作ってみたり、披露する場所もないのに楽器を練習してみたり」

 今は必要だったと言える時間となった。

 「やっと今ちょっとまとまってきたところがある。むしろ本当に、お陰で鬱憤(うっぷん)が晴れた。いろんな思いも、ムクムク湧いたというより、ちょっとずつ抽出しているような。点滴ぐらいの量でポタポタ落ちてきたものが、ようやく自分をようやく自分を満たし始めて、これを皆さんにお届けします、という感じ。今はいつになく気持ちが晴れやかです」

 一方で、来年のデビュー20周年に向けては難しい判断が迫られる。

 「今は、ほぼほぼ白紙。何より画期的なアイデアを自分たちの中で発明したいという思いはあります。一応、予定では単純計算で、もう7000万枚ぐらい通算で売り上げていたはずなんですよ。そうすると、それで全員食わせていけるんですけど、その予定は大幅に…」

 木更津市を走る国道127号線にちなみ、来年1月27日にデビュー20周年記念アルバムを発売する。今月23日に配信するテーマ曲は、その先行シングルとなる。

 「(歌詞は)基本、上からです。『すんな!』とかしか言ってない。優しく言う担当は他にいっぱいいる。みんなキレイな言葉を使ってくれる。俺は、全員の世界中のヤツらの2コ上の先輩、2コ上の番長と自分で思い込んでいる。全員が2コ下の後輩だから、俺の言うことを聞かす!という感じの目線の曲です」

 フェスは7時間の配信で自身を含めた15組が出演する。

 「本当は12時間放送を2日間やりたかった。でも、みんなが集中して見られて、土曜日というタイミングで見られる時間帯ということで、6時間に。これが吉と出るのか凶と出るのか。3時間ぐらいで…となるか、やっぱり12時間を2デイズやるべきだったと思うことになるか、やってみないと分からない。何しろ、前例がないことに、本当に誰も行ったことのない海にこぎ出していくという状況。生きて帰ってこられるのかすら分からない」

 誰にとっても未知の状況にいるが、先が見えないからこそ可能性も無限にある。

 「みんなのアイデアを集めて、もしかしたら音楽だけじゃなく、それを超えてアスリートともつながれるかもしれない。僕たちの音楽でコロナウイルスを退治することはできないけど、未曾有の事態だからこそ、もっと一丸になれるチャンス。絶対に手を組まなかった人間同士が手を組むことだって出来るんじゃないかなと思っています」

 ◆氣志團万博 メンバーの地元・木更津で03年に初開催。06年には山梨・富士急ハイランドで結成10周年記念として開催した後、12年から主催フェスとして地元に隣接する袖ケ浦海浜公園で毎年開催。ロックバンドのほか和田アキ子、矢沢永吉から「ももいろクローバーZ」といった多彩な出演者が特徴で人気を集める。

 ◆今年の出演15組(出演順) 森山直太朗、ももいろクローバーZ、東京スカパラダイスオーケストラ、サンボマスター、ゴールデンボンバー、BiSH、岡崎体育、瑛人、HYDE、EXIT、女王蜂、渋谷すばる、Dragon Ash、米米CLUB、氣志團

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