無観客・収益度外視の「ぷよぷよ」公式大会…困難な状況下でも「eスポーツの発展に寄与しなければ」…細山田総合プロデューザーに聞く

「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON3 STAGE1」で優勝したぴぽにあ選手は賞金100万円のボードとトロフィーを掲げ笑顔
「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON3 STAGE1」で優勝したぴぽにあ選手は賞金100万円のボードとトロフィーを掲げ笑顔
『ぷよぷよ』を統括する細山田総合プロデューサー
『ぷよぷよ』を統括する細山田総合プロデューサー
3年目の「ぷよぷよチャンピオンシップ」が開幕。対戦テーブルの中央には感染防止の ボードが置かれた
3年目の「ぷよぷよチャンピオンシップ」が開幕。対戦テーブルの中央には感染防止の ボードが置かれた

 国民的パズルゲーム『ぷよぷよ』のeスポーツ大会「ぷよぷよチャンピオンシップSEASON3 STAGE1」が5日、開催された。新型コロナウイルスの影響で延期され、一時は中止も検討された3年目シーズンは、感染防止に配慮した「無観客大会」として異例の開幕となった。困難な状況下でも開催にこぎ着けた強い思いとは。大会を主催するセガの細山田水紀プロデューサー(43)に聞いた。(平柳 洋希)

 がらんとしたスタジオ。ステージ上には、感染防止のボードで中央を仕切られた対戦用ゲーム機が置かれた。プロゲーマー30人を集めて行われた「ぷよぷよ」公式大会、SEASON3の開幕戦。観客はいなかった。

 「昨年のSEASON2(12月大会)では浅草花やしきの劇場を借りて、プロレスのリングを作って、ラウンドガールも入れて、大観衆のなかで大々的に開催したんですが…」と細山田プロデューサー。「今回は人が集まれないということで、当然中止の選択肢もあったんですが、形を変えても開催はしようという方向で進んでいました」

 無観客での3年目開幕。試合数も縮小されたが、開催にこだわった。「こうした大会を行っても我々に収益はほぼありません。でも、日本のeスポーツが盛り上がって、ゲームがポジティブに扱われる状況なのに、ここでやめてしまうと今までのことが無駄になる。採算度外視でeスポーツの発展に寄与しなければ、という思いもありました」

 盛り上がりつつあるeスポーツの灯は消せない。昨年には茨城国体の文化プログラムにもeスポーツが採用され、『ぷよぷよ』が競技種目になった。全国各地で予選を行い、日本中の猛者が技を競った。「シンプルなルールで幅広い世代に人気がある。ユーザーが男女半々というのも受け入れられた理由かと思います」

 JeSU(日本eスポーツ連合)が認定した『ぷよぷよ』のプロは現在34人。39歳のベテランから17歳の高校生プロもいる。「プロはとにかく反射神経、記憶力、対応能力がすさまじい。自分の画面だけでなく相手の画面も見ていて、『次に相手のフィールドに何色が落ちてくるか』まで把握しているんです。相手が大連鎖を仕込んでいるのを察知して、速攻で潰したり。先の先を読むあたりは、将棋に通じるところもあります。『ぷよぷよ』は来年30周年を迎えますが、いまだに新しい戦法が生まれているんです」

 進化はやめない。12月には同じ“落ち物パズル”の金字塔と夢のコラボを果たした新作『ぷよぷよテトリス2』が世界同時発売される。「英語やフランス語、中国語など多言語に対応しています。海外での認知度も高く、前作の『ぷよテト』は全部で140万本販売しましたが、半分以上は欧米だったんですよ」

 最後にeスポーツとしての『ぷよぷよ』の将来像を聞くと、細山田プロデューサーは表情をほころばせて話してくれた。「カテゴリーを絞った大会なども面白いですね。例えば女性だけの大会とか。全国大会は国体で実現したので、次は世界大会。いつの日か『ぷよぷよワールドカップ』ができたらうれしいですね」。夢の“連鎖”は止まることなく続いていく。

 ◆細山田 水紀(ほそやまだ・みずき)1977年7月16日、鹿児島県生まれ。2002年、セガ開発子会社のソニックチームに入社。06年から『ぷよぷよ』関連作品の制作に携わる。現在シリーズ総合プロデューサーを務める“ぷよぷよの顔”。自身の腕前は「1人プレーで10連鎖くらいは出せますが、プロにはとてもかないません」。

 ◆ぷよぷよ 1991年に第1作が発売されたアクションパズルゲーム。2つずつ落ちてくる5色の「ぷよ」は、同じ色で4つ隣接させると消える。連続で消すことで「連鎖」が起こり、相手に「おじゃまぷよ」を送り込むことができる。ぷよを消せないまま最上段まで積み上がったら負けとなる。プロ同士の対戦では展開を読んだ大連鎖の打ち合いが見どころで、「階段積み」「GTR」「フロン積み」などさまざまな戦法がある。

「ぷよぷよチャンピオンシップ SEASON3 STAGE1」で優勝したぴぽにあ選手は賞金100万円のボードとトロフィーを掲げ笑顔
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3年目の「ぷよぷよチャンピオンシップ」が開幕。対戦テーブルの中央には感染防止の ボードが置かれた
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