【オリックス】17年ドラ1田嶋大樹「うれしい」プロ初完投初完封…自己最多118球2勝

プロ初完投・初完封勝利を挙げた田嶋はグラブを叩いて笑顔をみせた(右奥は捕手・伏見=カメラ・石田 順平)
プロ初完投・初完封勝利を挙げた田嶋はグラブを叩いて笑顔をみせた(右奥は捕手・伏見=カメラ・石田 順平)

 ポーカーフェースを崩した表情に達成感がにじみ出た。最後の打者・鈴木大を遊飛に打ち取ると、田嶋はグラブをポンとたたいた。マウンドに駆け寄った女房役の伏見に頭をなでられ、照れくさそうにほほ笑む。自己最多の118球でプロ初完投初完封。チームの今季初完封も果たし「うれしい。これだけです」。今季2勝目を静かにかみ締めた。

 最速151キロの直球を軸に、リーグトップの打率を誇るイヌワシ打線を封じ込んだ。許した走者は単打2本と1四球のみ。二塁も踏ませなかった。1週間前の西武戦(メットライフ)は自己最悪の2回9失点。「球威プラス気持ちがいつもと雲泥の差」。伏見が振り返ったように、屈辱を力に変えた。

 17年ドラフト1位で入団。1年目は前半戦で6勝を挙げたが、左肘痛で戦線離脱。昨季も3勝に終わった。思うように練習できず、もがき苦しんだことで初心に帰れた。「やりたいことをできること自体がうれしい。中学、高校からずっと考えていたのはチームを勝たせること。2年間ふがいなかったので、この1年に対する思いは断然増している」。援護に恵まれず、2か月以上勝ち星がなくても「僕のことはいい」と言い続けた男に、野球の神様が大きな白星を贈った。

 球団が日本一に輝いた96年に生まれた24歳が、ほっと神戸では6年ぶり、そして7月の楽天6連戦(4勝1敗1分け)以来、今季11カードぶり勝ち越しに導いた。「本当に良かった。次からバンバン行ってもらいたい」と今後の飛躍を期待する中嶋監督代行に、田嶋は「メチャクチャ疲れました。プロで完投するすごさが分かり、いい経験になりました」。殊勲の男は最後まで謙虚だった。(宮崎 尚行)

 ◆田嶋 大樹(たじま・だいき)

 ▼生まれとサイズ 1996年8月3日、栃木県生まれ。24歳。182センチ、80キロ。左投左打。

 ▼球歴 投手一筋で宝木ファイターズ(小学)時代に県大会優勝。鹿沼ボーイズ(中学)で全国大会栃木県予選で準優勝。佐野日大では2年春に甲子園ベスト4。JR東日本所属の2017年に社会人日本代表としてアジア選手権でMVP。同年ドラフト1位でオリックス入り。

 ▼控えめ? マイペース? 入団時の新人選手アンケートでは特技、目標とする選手、自己PRの欄に「なし」と堂々と記入。好きな食べ物は「チーズ(とろける)」と記した癒やし系だ。

 ▼哲学書好き? 「小学生の頃から本が好き」と気分転換は読書。最近は哲学の本を読んだと言い「題名に哲学って書いてあったから、多分哲学の本です。いろいろ面白いことが書いてあります。僕の知らないいい言葉とか。気づけることがある」。好きな言葉は「自主創造」。

 ▼睡眠好き 自宅では「基本的に何もしない。テレビを見るくらい」のインドア派。寝ることが好きで「長い時は休日の半日くらいは寝ています」

 ▼「もう少し」トレ 昨オフのトレーニングでは「心がしんどいと思ってから、もう少し行けるところまで」と意識。例えばポール間走で、きつくなってから「もう3本くらい」。「ピンチの時のきつさ。そこで踏ん張れるかにつながるかと、ふと思いついた」

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